ソノ変態、超弩級ニツキ
彼のターンです。察していただけるでしょうが、彼のターンです。
「あっ、遊斗君!」
学業に復帰するため、理事長代理兼生徒会長補佐をしていたハーピーの女性に2人分の申請書類を渡した後、ユヅキちゃんに学校の案内をしていると、見知らぬ女子生徒……もとい、変態男子生徒とエンカウントしてしまった。
かなりブラコン気味なユヅキちゃんとぶっ飛んだ変態の変態君が出会ってしまったらどうなるのかという疑問もあったとはいえ、流石に今来られてはかなり面倒くさそうだ。
「ユートくーん! ひーさーしぶーりー」
「うるさい」
テンション高く駆け寄ってきたセーラー服の似合う変態は、ユヅキちゃんに蹴りとばされた。
「ぅっ……幼女の蹴りが腹に染みて……むせる」
腹を押さえて悶絶している割には余裕のある言葉だった。
とはいえ、流石に倒れている知り合いを放っておくワケにもいかず、ユヅキちゃんの案内は通りすがりの魔女さんに任せて、保健室に連れて行くことにした。身長その他問題が山積みなので背負えるはずもなく、足を持って引きずってだが。
「……なんだか頭が痛いんだけど、遊斗君、心当たり……ない?」
「ないよ」
ベッドで起き上がり、頭をさすっているユウ君に対して真顔でそう言うと、イマイチ釈然としなさそうな表情をしながら納得してくれた。
「あのさ遊斗君……ちょっと気になった事なんだけれど……遊斗君って、リリスさんに育ててもらったんだよね? 生まれてから少しの間、授乳からオムツから何から何まで。あと他にも乳……色々」
「……何がいいたいの?」
「…………なんでリリスさんは遊斗君をそこまでして助けたのかなーって……気にならない? ねぇ」
「まあ、確かに気にならなくは……」
「でしょ? だからさ……ちょっと遊びに行っていい? 次の休みの日に」
「……先回りして言っておくけど、メイドさんはいないからね?」
そう言うと、変態君は無言で驚いたような表情を見せた。
……というよりも
「もしかしてこれって……体を起こしたまま驚きで気絶してる……?」
どうしてここまで驚くのか分からないが、変態君にとっては相当ショックが大きかったのだろう。
「お久しぶりですリリスさん! 今日も美し」
「うるさい。ママを口説かないで」
「ふぐりっ……」
なんだかんだで結局遊びに来たセーラー服の変態こと変態君は、早速ユヅキちゃんに腹を蹴られていた。
「リリスさん! 早速ですけど、ちょっともう1人のぼくとミクヤさんに頼まれてちょっと聞きたいことがあるんで」
「せいっ」
「すぅっ……リリスさんは、どうして遊斗君を生き返らせる……というか、転生させたのですか? ……まさか、遊斗君を気に入ったからだとか」
「そんな理由もあるわね」
「あるんですか!?」
「あるの!?」
「……へー」
三者三様の驚きをしたが、母さんは微笑みをくずさずに続けた。
「まあ、一番の理由は妹のアリスちゃんと親友ミロンとその娘のミラちゃん……それに、魔界一の占い師イアリちゃんと……あと、向こうで色々とイメージ向上に努めてくれてる人魚ちゃんのためね。あ、そうそう、ダアトちゃんのためでもあるわね」
もし今この場にダアトちゃんが居たのなら、無言で母さんに攻撃してたと思う。
「みんな……ユートちゃんが死にかけだって知った時の反応を見たら、手を打たないとちょっとまずいなーって思ったのよ。それこそ……他人に罵られそうなくらい悪いことでも、ね」
「……でも」
「ええ。幸い、パパにも御母様にも分かってもらえて……だからね、安心して、堂々とミラちゃんに呪いを解いてもらったユートちゃんの魂を、ね……?」
そう言って母さんは微笑みながら自分の下腹部に手を当てた。
「魔力的に魂を弄くり回してどうにかこうにか私の胎内に入れて、そこからユートちゃんの魔力を色々やったの。そしてユートちゃんは無事元気な男の子として生まれて来れたの」
「フヒヒ、母胎回帰……ふつくし勃ちしそう……」
「黙って」
「イグヴッ!」
トリップしかけていた変態君は無事ユヅキちゃんによってしとめられた。綺麗とは言い難い……というより、とても汚い悲鳴を残して。
きたねぇ悲鳴だなぁ
変態糞男娘「あ^~夢とハーレムが広がるんじゃ^~」