分かっていても、できないにゃん!
この家の中にはドアと呼ばれる物が、いくつかあるにゃん。
前足でかきかきして、ずらすと開くドアがあるにゃん。
これは私でも、ころにゃんでも開けられるにゃん。
でも、この家の人間たちが籠る部屋のドアは、これでは開かないにゃん。
私は開け方を知っているにゃん。
銀色に輝く金属製の棒みたいなものをぐいっと、押し下げるにゃん。
そうすると開くにゃん。
でも、それが私にはできないにゃん。
後ろ足を伸ばし、前足を伸ばしても、届かないにゃん。
何度も頑張ったけど、できないにゃん。
朝、私たちのえさの入れ物が空っぽで、人間たちにおねだりをする時があるにゃん。
部屋のドアが開いている時は、簡単にゃん。
中に入って、眠っている人間たちの所に行って、「にゃあ」と言えばいいにゃん。
でも、このドアが閉じられている時はそれができないにゃん。
そんな時、私はドアの前で人間たちが、起きて出てくるのをじっと待っているにゃん。
でも、ころにゃんは横にずらすドアとこのドアの違いが分かってないにゃん。
一生懸命、ずらそうと、ドアを前足の爪でカリカリするにゃん。
なので、この家の中にあるドアの周りも痛んでいるにゃん。
人間たちはこれ以上痛まないようにと、そんな時は一度起きてきて、ドアを開けてから、また眠るにゃん。
うるさかった事へのばつなのか、そんな時は人間たちが起きる時間まで、新しくえさをくれたりしないにゃん。