ドアの向こうの世界
人間たちが玄関と呼ぶところにはドアと言うものがあるにゃん。
その向こうに知らない世界が広がっている事を私は知っているにゃん。
その先にあるのは細く長い通路、人間が廊下と呼ぶものにゃん。
この家の人間たちはこの廊下を通って、家に戻ってくるにゃん。
この家の人間たちの足音は私にも、ころにゃんにも分かるにゃん。
足音に気付くところにゃんはダッシュで玄関にやって来るにゃん。
そして、玄関で仰向けになって寝転ぶにゃん。
この家の人間たちが玄関のドアを開けて入ってくると、ころにゃんは背中を床にこすり付けながら、うにゃうにゃと体をくねらせるにゃん。
「もう、危ないなぁ。
踏んじゃうじゃんかぁ」
と、人間たちに言われているにゃん。
ころにゃんは一体何がしたいのか、分からないにゃん。せっかく、ドアの向こうに行くチャンスだと言うのに。
私はドアのところで開くのを待つにゃん。
うまく行くと、人間の足元をすり抜けて、廊下と言うところに出れるにゃん。
過去に何度か出た事があるにゃん。
「あっ!くぅちゃんが外に出た!」
と、人間たちが言って、私を追いかけて来るにゃん。
そのずっと続く細い道。
さらにその先に何があるのか興味はあるにゃん。
でも、知らない世界にはいい事ばかりではないにゃん。危険も潜んでいるかも知れないにゃん。
だから、焦って走り出したりしてはいけないにゃん。
それにどんな時も気品と言うものは大切にゃん。
ゆっくりと普段のように歩いていくにゃん。
なので、すぐに人間たちに捕まってしまうにゃん。
それでも、私は焦って走ったりはしないにゃん。
そして、いつか私はその先の世界を見るつもりにゃん。




