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知らない人からは隠れるにゃん

 この家の壁は私ところにゃんが爪とぎをするので、ぼろぼろにゃん。

 そんな家にも、時々お客さんと言う、私たちの知らない人間がやって来るにゃん。

 ぼろぼろな壁を見ての反応は様々にゃん。


 「猫か何か飼ってるんですか?」


 こんなビンゴな人は、きっとこの家の人たちは大歓迎にゃん。

 この家の人たちが一番困るのは、ボロボロな壁を見て、驚いた表情をして、何も見なかったようなふりをする人たちにゃん。

 そんな人がお客さんだった場合は、この家の人たちはきっと私たちに登場してほしいと思っているにゃん。

 私たちの姿を見れば、「ああ。この壁は猫ががりがりしたからか」と、気づいてくれると思っているからにゃん。

 でも、そうはいかないにゃん。

 知らない人の気配を感じれば、私もころにゃんも、この家のお兄ちゃんの部屋に駆け込んで、じっと隠れているにゃん。

 ひたすら隠れて、知らない人が出て行くのを待っているにゃん。

 そして、知らない人が出て行ったのを感じると、そっとお兄ちゃんの部屋から顔をのぞかせて、気配を探るにゃん。

 大丈夫。

 そう確信すると、私たちはお兄ちゃんの部屋から出て行くにゃん。


 「本当に、この子たちは知らない人がいると出てこないんだからぁ」


と、お母さんが言うにゃん。

 知らない人には関わらないのが、一番にゃん!

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