ばれていないつもりでも
この家ではしてはいけない事があるにゃん。
私が自分のでないころにゃんのえさを食べてはいけないのも、その一つだにゃん。
私は人間に見られていない時には、こっそり食べるにゃん。
私がするのはそのくらいだにゃん。
でも、ころにゃんは他にも、人間たちに隠れてやっている事があるにゃん。
この家では、人間たちが食べ物を作るシステムキッチンの上や、ダイニングテーブルの上に上がる事は許されていないにゃん。
上がると叱られるし、上がったからと言って、何も得な事がないから、私は上がらないにゃん。
ころにゃんも、人間たちがいる時には上がろうとしないにゃん。
でも、この前、夜中にダイニングテーブルの上に上がって、上に乗っていた物を落としたにゃん。
真っ暗で、しんと静まり返った夜中に、大きな音を立てて、ダイニングテーブルの上の缶が床に落ちたにゃん。
何事かと、お父さんが出てきたにゃん。
もちろん、ころにゃんは猛ダッシュで、お兄ちゃんの部屋に逃げ去っていたにゃん。
翌朝になって、その話をお父さんがしたにゃん。
この家のお母さんも、妹も言ったにゃん。
「ころちゃんは、見ていない時にはよく上がっているのよね。
人が近づいて来る気配に気づくと、さっと下りて、何事もなかったかのようにしているけど」
でも、それって、ばれているって事にゃんじゃないかにゃん?
ばれているのに、ころにゃんはきっとばれていないと思っているにゃん。
世の中、そんな事がきっと多いんじゃないかと思ったにゃん。




