越せない壁!
私は猫にゃん!
名前は「くぅ」にゃん!
生まれたばかりで箱に入れられ、公園に捨てられていたのを、ここの人間たちが拾ってきたらしいにゃん。
そして、この人間たちが名前の候補を書いた紙を私の前に置いたら、私が「うにゃっ!」と言って、右前足を出して選んだ紙に書かれていたのが、今の名前だそうにゃん。
この家には、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、妹の4人の人間と、私と「ころにゃん」と言うもう一匹の若い雌猫が一緒に暮らしているにゃん。
若いからって、いい気にならないでほしいにゃん。私の方が先輩なんだからにゃん。
それはおいておいて、この家はマンションと呼ばれる建物らしいにゃん。
ベランダと言うところには、ここのお父さんが趣味で作っているミニビオトープなるものがあってにゃ、そこに時々スズメがやって来るにゃん。
ちゅん、ちゅん、ちゅん。
そんな鳴き声がすると、私は背を低くして、抜き足差し足で近寄っていくにゃん。
にゃっ、にゃっ、にゃっ。
私も仲間だにゃん!
と、スズメの鳴き声をまねしながら、近寄っていくにゃん。
でも、その先にはバリアなるものがあるにゃん。
私はSF系の猫なので、結界とか言わないにゃん。これはバリアにゃん。
透明で何も見えないのに、そこを越せないにゃん。
どうやら、この世の中には越せない壁があるらしいにゃん。
困ったにゃん。