史的な夜話 おまけ5
毎度おなじみまとまりの無い文章です。
今夏と言うべきか、二〇二六年の夏アニメと言うべきか、言葉に若干悩むところですが、「天幕のジャードゥーガル」と言う作品があります。
最初にネット上でイラストを見た際、「メイトインアビス」や「ハクメイとミコチ」を思い出しまして「ほのぼのとした内容なのだろうか」と思いつつ、「天幕のジャードゥーガル」について調べてみました。
作者はトマトスープさんという方の漫画が原作、アニメ化されたそうです。
主人公はモンゴル帝国を興したチンギス・カンの三男であるオゴタイの后だったドレゲネに仕えたファーティマ・ハトゥンが主人公だそうです。
中学や高校の世界史の授業でモンゴル帝国のチンギス・カンや蒙古襲来で有名なクビライ・カンは名前ぐらいわかりますが、モンゴル帝国でそれ以外の人物となればさっぱりわかりません。
このファーティマ・ハトゥンは実在の人物であり、Wikipediaにもページがありますので関心がある方はご一読下さい。またYouTubeなどでもファーティマ・ハトゥンを解説されている動画もありますので関心が湧いた方は是非、検索してみて下さい。
私がネット上「ファティマ」と検索したらポルトガルのファティマが出てきました。有名な「ファティマの聖母」や「ファティマ第三の予言」で知られています。
さて「天幕のジャードゥーガル」の作者であるトマトスープさんですが、他には「ダンピアのおいしい冒険」ではウィリアム・ダンピアという海賊の船長が主人公、「奸臣スムバト」では十三世紀にジョージアへ攻め込んだモンゴル軍を扱っているそうです。
いずれも私にはさっぱりわからない世界です。しかし、漫画や小説、アニメから遠い異国の歴史へ興味を持ち、歴史全体へ興味を持つ人が一人でも増えて欲しいとも思います。
私が本能寺の変へ興味を持ったのは二十代前半の頃、たまたま立ち寄った駅前の古書店で桑田忠親さんの「明智光秀」という文庫本に出合ったことから始まりました。当時は光秀の野心か怨恨か、この二つしか説は無かったですし、まさか六十近くも仮設が分かれるとは思っても居ませんでした。
一方、小説や漫画ですといわゆるバッドエンドの作品も多いと思いますが、アニメでバッドエンドですと視聴率を稼げるのか、グッズは売れるのか、そちらの方が心配になってしまいます。
アニメを視聴して原作の漫画や小説が売れると言うこともあるでしょう。しかし、それでアニメの制作陣が潤うわけではありませんし、やはり関連グッズが売れて欲しいところです。
私は機動戦士ガンダム、宇宙戦艦ヤマトなどを観てきた世代です。少しですが、プラモデルなども購入していました。「天幕のジャードゥーガル」ですと馬、弓矢、天幕などはグッズ化出来ないしょうし、一人のアニメファンとしては制作陣が赤字にならないか、そちらが心配になってしまいます。
私が心配しなくとも制作費の回収と黒字化も含めて計算されているとは思いますが、気になります。
もう一つ二〇二六年の夏アニメで気になったのは「ワールド イズ ダンシング」というアニメです。
初めてタイトルを観た時、バレエや現代の演劇界などを扱った作品なのだろうと考えていました。
実際には室町時代初期に猿楽や能楽で活躍した世阿弥が主人公でした。
世阿弥は足利義満には気に入られて猿楽や能楽を発展させましたが、義満が亡くなると窓際へ追いやられたような感じで不遇な日々を送ることとなります。
最後は佐渡島へと送られ、その地で亡くなっています。
アニメでも佐渡島へ送られて不遇な余生を過ごすところまで描くのか、そこまではわかりません。昨今のアニメ事情を考えますと若くて華々しく活躍しているところを描いて終わることでしょう。あとは原作漫画を読んで欲しい、盛り上がればアニメの二期、三期と続いて最後までアニメ化するというところでしょうか。
書き進めていて思い出したのですが、松井優征さんの「逃げ上手の若君」も中先代の乱で有名な北条時行が主人公です。
教科書ですと中先代の乱は一行ぐらいで軽く触れているぐらいだったと記憶しています。
最近は実在して残念な結末を迎えた人を描くのが流行っているの、その様に考えてもしまいます。
偶然が重なっただけでしょうし、流行っているとか、誰かに合わせようとしてファーティマ・ハトゥン、世阿弥、北条時行の人生を書けるわけでも無いでしょう。
資料を集めて読み込むだけでももの凄い労力が必要でしょうし、それを読者が納得する作品として世に出すのもまた相当な作業でしょう。
歴史が好きな一人としては教科書に載らない人物や出来事が取り上げられ、私もこれまで知らなかったことを学べますし、今まで歴史に興味を持っていなかった人が関心を持つ切っ掛けになってくれたら嬉しいです。
私も利用者の一人ですが、「小説家になろう」でも多くの人が数多の作品を寄稿されています。
その中には地域の偉人、地域では知られた事件などを調べて作品化されているかもしれません。
私は「小説家になろう」に掲載されている作品を読んで歩くことは出来ませんが、これから読み進まれる方、もしくは歴史小説を書こうと思われている方が居られましたら地域の偉人などを題材にされてみてはいかがでしょうか。
最後に話は少し飛びますが、公共放送の大河ドラマですと大体二年ぐらい前に制作が発表されるようです。
今年放送されている「豊臣兄弟!」ですと二〇二四年三月十二日に発表、来年の「逆賊の幕臣」は二〇二五年三月三日、再来年に放送される「ジョン万」は今年の四月六日に発表されています。
政策発表から放送まで一年半以上の時間があります。
この時間に出版社は大学の教授などの歴史の専門家に依頼して主人公の解説本などを執筆してもらい、放送開始の前後に書店へ並べるのでしょう。
近所の図書館などでも大河ドラマのコーナーが設けられ、関連書籍が並べられています。
同じことをアニメや漫画、小説に求めるのは無理があるのかもしれませんが、「天幕のジャードゥーガル」の主人公であるファーティマ・ハトゥンのように国内でも関連書籍がほとんど無い人物ならばアニメ化を機に解説本の一冊でも執筆、出版されても良かったのでは無いか、その様に感じています。
ネット上ではYouTubeも含めて「天幕のジャードゥーガル」の時代背景、ファーティマ・ハトゥン個人について解説されてもいますが、私は古い人間なので紙の媒体の方が有り難いです。
ちなみに「天幕のジャードゥーガル」は二〇二五年四月にアニメ化が発表されています。
日本でファーティマ・ハトゥンを専門的に研究されている人がどれだけ居るのかわかりませんが、この機会を生かしてファーティマ・ハトゥンの解説本が一冊でも出ないか、期待している私が居ます。
後書きに書くような話でもありませんが、仮にモンゴル軍が西へ進まず、樺太辺りから南下して北海道、東北へ進んでいたら日本の歴史はどの様に変化していたのだろう、その様に思いながらWikipediaで樺太のページを読んでいましたら一二六四年から一三〇八年までの間に幾度か樺太に住むアイヌの人々とモンゴル軍が衝突していたようです。
幸いと表現して良いのかわかりませんが、樺太アイヌの人々がモンゴルへ朝貢すると言うことで収まったようですが、モンゴル軍が北海道辺りまで進出してきたら本当にどうなっていたのでしょうね。
もう一つ、北条時行には子孫が居るか居無いか、今も議論は続いているそうです。
戦国時代、小田原の北条氏は氏綱が時行の末裔と言われる女性を妻に迎えて以降、北条氏を名乗っています。
伊勢宗瑞、氏綱父子が北条氏の子孫から無理矢理家系図を奪って北条を名乗るようになったとか、その様に覚えていましたが、記憶違いでした。
今後も歴史上の人物や出来事が小説や漫画、アニメで紹介されたら良いな、そう思う今日この頃です。




