表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/34

【第一章 第五話 からかい妖精と現実か夢か】

誠人は村の小道で立ち止まり、いつになく真剣な表情で肩の上の妖精を見た。


「……で、君は何者なんだ(n回目)?と質問をぶつける 」


妖精はくすくす笑った。

「ふふ、そんなに何回も真面目に聞かなくてもいいでしょ、マコト。

だって、あなた、夢中で小説読んでいるから、こうなっちゃったんだから」


「え? な、何言ってるんだ……?」

誠人は思わず手を頭にやる。

肩の上の小さな存在が、まるでからかうかのように軽く跳ねて光を散らす。


――ほんの少し、周囲の風景がぼやけたように見えた気がした。

青空も、村の畑も、子どもたちの遊ぶ声も、すべてが少しだけ非現実的で、まるで夢の中のようだった。


「ねぇねぇ、マコト、どうするの?

ここでぼんやりしてるだけだと、みんなに怪しまれちゃうよ?」

妖精は肩からひらりと舞い上がり、誠人の耳元でからかうように囁いた。


「怪しまれるって……俺、まだここで何をすればいいかも分からないんだぞ」


誠人は少し語気を強くする。


妖精は手を小さく振り、笑いながら光をくるくる回す。


「大丈夫、大丈夫。焦らなくていいの。

でもね、あなたが夢だと思ってるなら、それはそれで楽しいんだけどね」


「……はぁ?」

誠人は思わず空を見上げる。

本当に夢なのか現実なのか、判別がつかない。

肩の上の妖精の目は、あきらかに悪戯っぽく輝いているのに、どこか本物の温かさもある。


――こんな状況で、どうやって生活すればいいんだ……。

けれど、妙に心が落ち着いている自分もいた。

妖精の小さな光と笑顔が、まるで「安心して」と囁いているように感じるからだ。


「よし……じゃあ、まずは村に慣れるところからだな」

誠人は決心して、小道を歩き出す。

妖精はぴょんと肩に戻り、軽やかに「ふふ、楽しみだね」と囁いた。


――こうして、夢か現実かわからないまま、誠人の異世界生活は進んでいく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ