プロローグ エホエホし過ぎて赤玉でて転生?
俺、龍ケ崎弘彌は、目を覚ました瞬間、顔にドロっとしたものが落ちてきて飛び起きた。
「うわっ、何だこれ!?」
慌てて顔を拭うと、手にべっとり付いたのはヌルヌルの泥と、ピョンピョン跳ねる小さなカエル。
頭がガンガンして、まるで魂抜かれたみたいな感覚だ。
昨日は部屋にこもって、戦国ハーレムラノベ読みながら秀吉の嫁たちに妄想爆発。
ねねの清楚さ、淀殿の色気、側室たちの官能的な雰囲気にやられて、オナニーに没頭しすぎた。
最後は「秀吉のハーレム、俺にくれよぉ!」って叫ぶと伝説の赤玉が天井を突き抜けるくらいの勢いで発射された。
「うぉぉぉ! 戦国美少女たちに囲まれて、毎晩ちゅっちゅぬっちゅしてぇぇぇ!!」
興奮のまま、ベッドの上で果てた俺は、そのまま意識を失い……気づいたらここにいた。
周りを見ると、そこはボロ小屋どころか、半壊した藁の山。
鼻を刺すのは湿った土と、近くの腐った何かっぽい強烈な臭い。
天井はあってないようなもんで、隙間から朝日が目に刺さる。
寝てたのは板の間じゃなくて、泥と藁がグチャ混ぜの地面だ。
「はぁ!? 何!? 俺、野宿!? 遭難!?」
叫んだ瞬間、足元でバシャッと音がして、冷たい水たまりに足首までドボン。
服はパジャマじゃなく、ボロッボロの麻の着物。
袖は短すぎて手首丸出し、裾は膝までしかない。
「待て待て待て! 何この状況!? 夢!? 異世界!? いや、ラノベならもっとマシな展開だろ!」
混乱しながら立ち上がろうとしたら、頭を藁の塊にガツンとぶつけて「痛っ!」と叫んだ。
その瞬間、目の前にバチバチッと光が走って、ゲームのステータス画面みたいな文字が浮かんだ。
【名前:木下藤吉郎】
【年齢:16】
【職業:流れ者(仕事なし)】
【スキル:図太い根性】
「・・・・・・流れ者!?」
一瞬、頭がフリーズした。
木下藤吉郎。
歴史オタクの俺が知らないわけない。
豊臣秀吉の幼名だ。
でも、流れ者って何だよ!? 史実より無茶苦茶じゃねえか!
「うそだろ!? 俺、秀吉に転生したのか!?」
声が裏返った瞬間、昨夜の賢者タイムが頭をよぎった。
オナニーしすぎて頭真っ白、虚無感に包まれてた時、ふわりと甘い声が聞こえた。
「んっふふ……そんなに戦国ハーレムを望むなんて、可愛いわねぇ」
「は?」
振り向くと、そこには信じられないほど妖艶な美少女がいた。
白い肌、艶やかな黒髪、透けるほど薄い衣。
乳房は着物の合わせ目から大胆に覗き、むっちりした太ももが丸見えになっている。
それ以上に俺の心を惹きつけたのは――彼女の匂いだ。
ほのかに甘く、けれども汗の混じった、生々しい女の香り。
俺の体臭フェチ魂が歓喜の雄叫びをあげる。
「す、すごい……! この甘ったるいのにちょっとクセのある匂い……くんくん……これは、エロい匂い……!」
女神は俺の鼻先に指を這わせ、くすりと笑う。
「ふふ、あなたって、可愛いわね。そんなに私の香りが好き?」
「は、はい! 好きです!」
興奮して即答すると、女神は妖艶に微笑みながら、俺の顔にそっと髪を押し付けてきた。
「んふふ……もっと嗅いでいいのよ? 転生の前に、たっぷり楽しませてあげる……」
その瞬間、俺の意識が弾け飛び――そして気づいたらこのボロ小屋にいた。
「マジかよ! 俺、えっちすぎる女神様に転生させられたのか!?」
驚きすぎて目が飛び出しそうになった。
でも、次の瞬間、胸が熱くなって、心臓がバクバクしてきた。
秀吉だぞ! 底辺から天下人に這い上がった男!
そして――ハーレム!
ねね、淀殿、戦国美少女たちを娶りまくる夢が現実に!
「うおおおお! 流れ者だろうが関係ねえ! 俺、ハーレムラノベの主人公になるんだ!」
拳を振り上げて叫んだら、藁の山がガサッと崩れて顔に直撃。
「うぶっ!」
とむせながら立ち上がると、外から
「コラ! 何騒いでんだ!」
と怒鳴り声。
見ると、ボロ着物のオッサンが、竹の棒持ってこっちを睨んでる。
「お、お前誰!?」
「誰だと!? この畑の持ち主だ! 流れ者が勝手に寝てんじゃねえ!」
オッサンが竹棒を振り回してきたから、俺は泥まみれで転がりながら逃げ出した。
「待てぇ! 殴られるぅ!」
朝靄の中、田んぼのあぜ道を全力ダッシュ。
足は泥にズブズブ沈むし、後ろからは
「出てけー!」
って怒号。
腹がグウッと鳴って現実を叩きつけてきた。
「腹減った……。でもここから天下とハーレムだ! えっちすぎる女神様、ありがとう!」
息を切らしながらニヤッと笑った。
戦国時代だ。
ハチャメチャすぎる転生だ。
でも、俺の伝説が今始まるぜ!