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幻想奇譚

ミルクの様に癒すもの

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ヤッター!! 激レアだァァァァ!!


というテンションで突っ込むんですよ。

緊張から解れた時、人と言うのは反動で安らぎを求めてしまう生き物だと存じております。食事を戴いたり、眠りに堕ちたり。そして今私は安らぎを求めておりました。

何処か馴染みの純喫茶で馴染みの珈琲を戴きたい。緊張を解して、ただ心穏やかに。そう思いましたら、自然と私の足は古書の香り漂う街へと進んでおりました。

駅から降りて、雑貨店を抜けた先に、お馴染みの純喫茶。今の私には少々遠く感じてしまいます。早る気持ちを持ったまま、歩いていた時で御座います。看板を発見致しました。

普段通りかかっても常に定休日。参りたい、参りたいと思っていた幻の純喫茶。その看板が道行く人に語り掛ける様に佇んでおりました。

その珍しさから、お馴染みの喫茶店に訪れる。という目標はとうになく、私の足は隠れ家のような細い路地裏へと向かってしまいます。

「いらっしゃいませ」

足を踏み入れると、横に長い店内。壁の至るところに絵画や造花、仮面などが装飾されております。明るいランプがなんとも近代的で、昭和に発展した喫茶店の様なので御座います。

私は店内の端の席に腰掛けて、お馴染みの品をお願い申し上げます。

「ブレンド一つ」

滅多におめにかかる事のない。幻の純喫茶。此方の珈琲のお味は果たして苦いのか、甘いのか。そればかりが気になって仕方がありません。

そんな気持ちに胸を踊らせて、店内を流れる色気のあるジャズに耳を傾けておりますと、珈琲が。私の前に鎮座致します。

色は漆黒というより、黒に近いチョコレート色。カップを持ち上げて、息を吸い込みますと、芳醇な豆の香りが胸を満たしました。

まずは一口。ストレートでも強く感じる、ミルクの味。苦味は殆ど存在せず、口当たりもまろやかで御座います。甘い、甘い、甘い。様々な純喫茶の珈琲を戴いて来ましたが、『ミルクのような滑らかな甘さ』と表現したのは数少なく。それ程までに珍しい。

滅多にお目にかかれない純喫茶の珈琲は、場所だけでなくお味に至っても珍しく柔らかで御座います。


――渡、お目当ての支那は買えたのかい?

――はい。売り切れてしまったかと思いましたが、幸いにも。

純喫茶って、土日休みのところが多いんですよ。

だから神の気まぐれ、店主の気まぐれ、それで店に入れると、ヤッタァァァァァァ( ᐛ )وイエェェェェェェェェェェェェイ!!

という意味わからんくらいの奇声を内心で発し、突っ込みます。


果実のような甘さ。と、表現した純喫茶は前にもありましたが、ミルクのような甘さと称したのは少ないのでは?

と思って珈琲しばきます。


めっちゃ甘い。全然苦くない。

今の急いた心を癒すのに相応しい程に甘い味でした。


珈琲と一口で言っても味が激しく異なるのが面白いところだと思っているんです。

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