最後の階層
階段を降り切るとそこには人の頭くらいの球体が浮かぶ広い部屋にたどり着いた。
ここに到着するまでに、各階層のモンスターを討伐しながら進んだのだが、ダンジョンのコンセプトなのかドラゴン等の誰から見ても強いモンスターが出てこず、虫や小動物などの小型で大量に出てくるモンスターが出る階層ばかりであった。
そのため、後半部分は主に群がってくるモンスターを間引きながらブリキの騎兵の引くソリで駆け抜けて攻略していった。
「コアルームに到着。最初はだれが行きます?」
最下層に到着早々槍を構え攻撃態勢を取りながら田中さんが聞いてきた。
「初撃は譲りますよ。田中さんでは威力が足りなさそうなので破壊できないでしょうが」
遠藤さんの返事を聞き終わる前に攻撃を繰り出した。
このダンジョンに入って槍をあつかい始めたとは思えない速度で繰り出された攻撃は金属同士がぶつかり合う甲高い音とともに弾かれてしまった。
「次は俺か?」
「『破壊者』は最後です。あなたが攻撃すると破壊しそうですからダンジョン攻略初の安藤さんに譲ってください」
遠藤さんが譲ってくれたのはいいが、ここまでの攻略で自分単体では無力なのが身に染みてしまった私は、Dr.ヘーゲルシュタインへと顔を向けた。
「あれを攻撃すればいいのですね?それでは『BASTARDパック』を出してください」
「これですね。『BASTARDパック』」
『BASTARDパック』は無条件で相手の眷属を破壊するカードとしてGTWでもデッキに入れる枚数が制限されているカードとして存在している。
そのカードのイラストは青背景に砲身が描かれているだけのもので大きさを正確には把握できていなかった。
今回初めて使用した、『BASTARDパック』は砲身が10mあり、砲口も1mと人が構えて打てるようなものではなく固定砲台として使うのが正しいと思えるような見た目をしていた。
「Dr.ヘーゲルシュタインさすがにこれは大きすぎないか?」
遠藤さんが顔を引きつらせながら砲口の中に飲み込まれたコアを確認するために砲口を覗き込んでいる。
「これこんなに大きかったの?」
「もともと大出力で敵を殲滅するために使い捨て前提で開発されているから『BASTARD(規格外)』なんて名前が付けられたが持ち運びが困難過ぎて一度も使われたことのない規格外な装備って意味もある」
地面にアンカーを打ち込み最終調整を行いながら説明してくれる。
「戦車に搭載とかされなかったの?」
「当時自走車両が開発されていなかったために、持ち運びは馬などに引かせた戦車だったとの記録は見たことあるが使い終わった後は鉄くずにしかならないこんなもの戦闘には持ち出せなかったのだろうね」
話しながら最終調整を終わらせたDr.ヘーゲルシュタインはみんなに下がるように声をかけた。
「法撃行きます」
小さな掛け声とともにまばゆい閃光が室内を明るく照らした。
一瞬明るくなった程度であるが、この5日間ずっと薄暗いダンジョンで過ごしていた私たちにはかなりまぶしく、回復するまでに少し時間がかかってしまった。
ブックマークを解除せずにお待ちになっていた皆様ありがとうございます。
前回みたいに毎日投稿は難しいかもしれませんができるだけ行えるようにします。
3章終盤までの展開は確定していますが、私の文章力次第となっておりますので温かく見守ってください。




