『見えざる手』
敵が見えないため、この階層をゆっくり攻略することとなった。
目視で確認できないが、ブリキの騎士はどのように感知しているのかはわからないが、的確に攻撃していた。
「どんなモンスターなんでしょうね?」
「早すぎるのか、透明なのかわかりませんけど、見えないのは怖いですね。次左です」
「『スカイフィッシュ』は止まったりしないのですか?」
「一説によると止まると死ぬらしいので他のダンジョンでも止まってるとこは見たことないですね。カメラで何とかとらえた映像でしか見たことないですね」
そう話している間にもブリキの騎士はランスを動かして魔石を量産していく。
「それでは『見えざる手』はなんで手だと分かるのですか?」
「攻撃方法が締め技が多く、倒した後に残った跡が手の形に残るからそう名付けられたようですね」
そんな感じで田中さんと遠藤さんは殿を務めながら話し込んでいた。
一方『破壊者』はというと、5階層では激しく戦っていたためさすがに疲れたのかソリの後方に腰を掛けのんびりとしていた。
「次はそのまま真直ぐです」
田中さんと会話をしながらも、交差点に差し掛かるたびに指示を出してくれるので迷わず進むことができていた。
そのまま進んでいると手持無沙汰になったのか田中さんんはまた魔石を拾ってはソリに放り込んでいた。
その時も、魔石を拾おうとして屈んでいたが、屈んだまま立ち上がらず喉を強く搔きむしっていた。
そのことに最初に気が付いたのは遠藤さんで、すぐさま攻撃しようとしたが、息が苦しい田中さんが首に巻きついている物を掻きむしるのでうまく攻撃をすることができていなかった。
「『破壊者』」
「あ?なんだよ『見えざる手』かよ」
声をかけられすぐに動いた『破壊者』は田中さんの手をすぐに抑えた。
手がどかされたのを確認するやいつの間にか使いこなしている鎧に仕込まれていたナイフを取り出し攻撃を加えた。
田中さんは酸欠になる前に助け出されえずいて蹲ってしまった段階で、やっと私が後ろの方の騒動に気が付いた。
「どうしました?」
Dr.ヘーゲルシュタインにに水を出してもらい、ソリを降りて田中さんに水を手渡しながら聞いた。
「どうもこの階層のモンスターが『見えざる手』だったみたいで、多分後ろから来たんだろうね」
「後ろの方の警戒も必要ですよね」
「そちらは何とかするから進んでくれ」
何か考えが 『破壊者』にあるようなので殿は『破壊者』に任せ田中さんをソリの後ろに乗せて先を急いだ。
田中さんは落ち着いたようだが、左手の跡のような形がしっかり残っており、苦しそうだった。
「これ跡残ってるよね」
「ミミズ腫れになってるね」
後ろからそんな会話が聞こえてくるとDr.ヘーゲルシュタインがビンに入ったクリームを渡してきた。
「皮膚の炎症を抑えるクリーム」
そうとだけ言うとソリが動き出すときにしっかりつかんでいた腕を緩めてきたので、田中さんに手渡してきた。
「Dr.ヘーゲルシュタインから炎症用のクリームだそうですよ」
「ありがとうございます」
Dr.ヘーゲルシュタインは感謝に対し特に反応を示さなかったが、それよりも見えた光景に気を取られてしまった。
いつの間にか『破壊者』の後ろには壁が出来上がっていた。
どのようにその壁を維持しているのか、『破壊者』が進むと一定距離を置いてついてきているように見えた。
その後、特に問題もなく進みあと少しで次の階層に続く階段まで来た。
「次を左で階段が見えてきます」
その言葉通り、階段の前まで着くとこの階層だけで1時間が経過しており、『破壊者』が作成した壁もあるためここで、一度間食と休憩をとることとした。
物語の進行でしかモンスターを考えてなかったのですが、よくよく考えたら『見えざる手』は経済的な用語以外にRe;ゼロで出てましたね。
あちらは能力でしたので気が付くのが遅れましたが、パクったわけではありません先に弁明しておきます。




