師弟関係
「弟子にしてください」
いきなり目の前に土下座され弟子入りを懇願された遠藤さんはかなり戸惑っているようだった。
「いきなりどうしたのですか?こんな濡れた地面で土下座なんて」
そういいながら腕をもって立ち上がらせようとするが、田中さんはその手を振り払い、地面に額をこすりつけて懇願していた。
「なぜ私なのですか?あなたのスキルは私のスキルとは違い、目立てば目立つ分だけ、知名度が上がればその分だけ強くなるスキルですよ。私が教えれることなんて無いに等しいですよ」
「それは十分にわかってます。ただ私のスキル『ピエロ』はあくまでエンターテイメントなので、相手を攻撃する力をほかで補わなければいけません。安藤みたいに守ってくれる人も代わりに攻撃を担ってくれる物も持ち合わせていません。この任務中だけでいいので、弟子にしてください」
その言葉に少し考えていた遠藤さんは答えを出した。
「わかりました。その代わり条件があります」
「はい、何でしょう」
「あなたの保有しているスキルを詳細に知るために、鑑定を使用させてください」
「それくらい別にいいですよ?」
「はぁ、まずはそのあたりの話からですね。田中さんと安藤さんはダンジョンウォーカーの所属ではないのでしたね」
「はい、そうです」
「ダンジョン外でのスキルの影響は少ないといっても、自分が保有するスキルが生命線になることがあります。過去に某国にて、一定のスキルの取得を強制させる事件があり、その過程で幾人も帰らぬ人となったことがありました。それにより、メインスキル以外を訪ねることがタブーとなっており、鑑定系のスキルも本人の許可なく使用することで反撃により殺されても正当防衛が認められるようになりました。ですので、今回は私が言い出したことなので言いづらいのですが、あまりむやみやたらに許可したらだめですよ」
「はい、師匠」
それから、鑑定系スキルによりわかったスキルを使いどのように戦うか話し合いを始めようとしていたが、休憩時間が終わってしまったため、実戦で調整していくことになった。
「それでは、私と田中さんが先に入ります」
「師匠。私のことは太郎でお願いします」
「わかりました。私が潜ったら続けてきてください」
「はい」
もともと面倒見の良かった遠藤さんと田中さんを見送ると、休憩時間の間近くにいなかった『破壊者』が話しかけてきた。
「何があったんだ?」
「なんか師弟関係を結んだみたいですよ」
「へー、日本ではそんなことやってるのか」
「そうでもないですよ。初めて聞きましたからあれが特殊なだけですね」
このまま話しているわけにもいかないので、『破壊者』との話している途中だが、ブリキの騎士が進み始めていて、話を切り上げることとなった。




