だぜぇ。
「よし。全員席についたな。今日は初日だし、自己紹介からしよう。俺の名前はドゥーラメル。俺は護身術等の体の動かし方を教える。学校の方針だから家名は伏せるが例えお前等の家格の方上でも俺は教師として接するからな。編入生もいるから最初から説明するぞ。まず―――。」
赤髪赤目の体格のいい、男性の教師だ。アレが僕達の担任の先生か。
立ち姿、声の通り方から警護を兼ねてる武闘派の先生っぽい。
ドゥーラメル先生の話を要約すると、
授業は受けたい授業を自分で勝手に受ければ良いらしい。途中で帰っても良いし、参加しても良いらしい。何の授業も取らないで遊んでいても良い。授業は午前中だけで、午後からは自由時間。だから先生に個人的な質問がある者は午後にしろ。ただ、授業を妨害する者は罰を受けるから注意。
で、偶に礼儀作法のテストがあってこれは必ず受けなくちゃいけなくて一定の点数以下だと長いこと礼儀作法の勉強だけをさせられるらしい。
なんか意外。クラス毎に同じ勉強をするのかと思った。
これだと、殿下の参加する授業は人が多そう。
授業を通して友達や知り合いを気軽に増やせるように授業は参加自由になってる。
ここで恋愛をする人が多いのは他者との交流が楽に出来るからかな。授業終わりにお昼を一緒に食べて午後遊ぶ人が多そう。
僕はなんの授業を受けようかな。
なんか煙いと思って後ろの席を見たら煙草吸ってる人がいる。先生がまだ話をしてる最中なのに。コイツ頭悪そう。後、髪が中途半端に染まってて、間抜けに見える。
「んだよ。コッチみんな、ボケ。」
少し喋っただけで、品の無さが分かる。貴族が多い中で平民が僕を煙草吸いながらを凄んでくる訳無いし、貴族かな。
「なんで煙草吸ってんだろ。悪ぶりたい年頃なのかな。体に悪いのに。流行ってんの?クスリとか煙草。」
「あ゛クスリでもやってるように見えんのか。どういう意味だ!舐めやがって巫山戯てんのかオイ!このクソがぁ!」
軽く話そうとしたら、なんか怒鳴りちらして、服を掴んで来た。急にどうしたんだろう。バカなのかな、先生に気付かれるじゃん。
「オイ!ガァアルバアル、チェース静かにしろ!!潰されてぇのか!まだ、先生が話してんだろぉ!次邪魔したら、分かってんだろうな!
よし、話を続けるぞ。」
え。僕もなの。全然騒いでないじゃん。ちょっと後ろ向いて話そうとしただけじゃん。
ドゥーラメル先生がこちらを睨みながら授業の科目についてはなしてた。
「チッ。覚えてろよクソが」
舌打ちしてこちらを推定ガァアルバアルが睨みながら小声ではなしてくる。貧乏揺すりもしていて、イライラしてそう。態度で感情が分かりやすくて良い。見てるだけで怒鳴ったり、先生に注意されただけでやめたりで器が小さそう。
所で、ガァアルバアルは新しい環境に馴染めるか不安でイライラしてるのかな。覚えてろってもしかして、僕と友達になりたいのかな。見た目は紫色の地毛を毛先だけ茶髪にして煙草吸ってるから変な人だと思ったけど、都会に出て精一杯背伸びしておしゃれに挑戦してると思うと案外かわいいもんだな。
せっかくだしガァアルバアルと一緒に教科決めようかな。僕と相性がいい気がする。
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先生の話が終わって、ガァアルバアルが満面の笑顔でこちらの肩に手をかけてきた。
「やっと終わったぜぇ。おい、ちょっと面かせや。」
「別にいいよ。違う場所に行こうなんて、恥ずかしがりやなんだね。なにについて話すの?やっぱり受講教科についてかな。一緒に決めようね。どこで相談する?」
「あ゛、いかれてんのか、てめぇはよぉ。」
喋りながら教室を出た所まで移動した。やっぱり教室で話すのが恥ずかしかったんだ。
「照れなくていいよ。因みに僕は植物系の授業を取りたいな。ガァル君は?」
「あ?ちったぁ分かるじゃねぇの。植物は良いよなあ。わかるぜぇ。毎日観察したときの愛おしさがやべぇよなぁ。いいぜぇ、植物の授業は一緒に取ろうぜぇ。馴れ馴れしく呼ぶんじゃねぇ。」
植物について話題を振ったら思った以上のくいつき。やっぱりそんなに怒ってなかったっぽい。怒りが治まって、植物談義したそうな雰囲気になってる。
「そうなの?僕は植物を育てたことないんだけど、面白そうだね。動物や人族とかの生き物繋がりで植物に興味を持ってるんだよ。植物について詳しいなら一緒に研究しない?」
「植物についてなら、俺の固有魔法が多分使えるぜぇ。後、これは煙草じゃなねぇ。これはキセルに葉っぱ入れて燃やしてるだけだぜぇ。」
煙草は固有魔法関連の道具だったのか。だから煙草吸ってるってバカにしたら、怒ったのか。
「そうだったのか。ごめんな。バカにして。悪かった。」
「あぁ。いいぜぇ、許してやるよぉ。ただよぉ、植物の研究ったって何すんだよぉ?」
「いくつかあるけど、ちょっとした恩人が薬中だから身体中のクスリの成分を吸い上げる植物をつくりたいかな。」
「人助けかぁ。いいじゃねぇの。研究は協力してやるぜぇ。」
人助けに協力してくれる優しい性格だった。口が悪いだけで凄く良い人。最初の印象が悪いだけに凄く良く見える。
お読みいただきありがとうございます。
勝手ながら勉強をしないといけないので更新が不定期になります。
また、見切り発車で投稿してしまいましたので、書くのが難航してますので、内容は練り直します。もしくは、別の小説を書こうかと考えてます。
次からは計画を立て書きだめしてから投稿します。
今まで付き合っていただき誠にありがとう御座います。