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あのときの少女

前話で「ミシェルに主人公が固有魔法でドレスについた染みを見えなくさせた。」っていう所が抜けていました。すみません。


 どうやら、彼らは僕の格好が問題だと言いたいようだ。何故か、見た目がふさわしくないって、こちらを批難してくる。久し振りに友にあったのに、再開を喜ぶと思ったのに。態々顔を自然と隠せるような格好をして、驚かしたのに。


「学校からの手紙に書いてあったよね。ドレスコードの指定はないって。それなのに殿下はスーツだし、ミシェルはドレスじゃん。この学校は身分による差別をしないって、知ってるでしょ。そんな服装じゃ平民が怖がるじゃない。現にそこの平民は2人のこと怖がっているよ。ねえ?」


「え。そ、そんなこと、な、ないです。」


 平民は顔を青ざめて震えながら、健気に否定している。でも、その態度が答えてるようなものだよ。


「ほらっ。震えて居るじゃないか。ミシェルにはさっきも言ったけど貴族や王族として、無様な格好は論外だけど、格調高い格好もこの場には適さないと思う。でも、貴族としての役割を示すワンポイントがあったほうが分かりやすいでしょう。ほら、僕は医療の名家だから、困った時に頼りやすいように一目で分かる格好をしているでしょ。

殿下はスーツじゃなくてもっとラフな格好の方が良いと思う。ミシェルはドレスは似合っていたけど、国の穀物生産の大部分を担う貴族家なんだから、最初のパーティーでくらい分かりやすい格好をしないと。人の印象は初対面のときに殆ど決まるんだから。」


「長々説教してんじゃないわよ!平民は貴方の見た目に怯えてるのよ!」


「そ、そうだぞ。上から目線で説教するな!お前の格好が1番この場にふさわしくないわ!一体何だ、その格好は!顔の半分の皮膚が無くて、痛くないのか。それに、その血だらけの服装はどういうつもりだ。何を殺して来た。そんな見た目で医療を担う貴族家出身だと、誰がわかるか!」


「分かったよ。」


 僕が怖がらせたってことに2人はしたいらしい。違うと思うけど、あまりにも必死な様子で、言ってきたから、返事と同時に自分につけた固有魔法をといた。

 服装についていた血の跡と、顔の半分を覆っていた筋肉を消した。

 折角このパーティーを楽しみにして、用意したんだけどな。どれが似合うか考えてたんだけどな。まあ、驚かせるのに成功したから良いかな。

 でも、固有魔法を解いてしまったら、カラフルな菱形の模様の多いスーツを着たイケメンになってしまう。今のミシェルはかなり好みだけど、未来の王妃を誘惑しちゃうかも知れないし、部屋に帰ろうかな。

 このままいても、周りからは殿下に怒鳴られた人って印象だろうし、交流しずらいかな。まあ、面白そうな人と交流出来なくて残念だけど、今交流しても良いことはないかな。




***




 寮の部屋まで少し歩く。まだ、パーティー会場にいる人が多くて殆ど誰とも会わない。

 寮の部屋って狭いって聞いたけど、固有魔法の実験や練習をしないなら、そんなに狭くないかな。僕の部屋より小さいし、なんなら治癒院に泊まり込んでいたときの部屋より小さいけど。

 治癒院は良いところだったな。仕事としてだけど、人助けになるし、実験もできたし、固有魔法もいっぱい使えて成長した。


 ん?そう言えばなんで殿下とミシェルははじめ一緒にいなかったのかな。婚約者なんだし、エスコートするよね。僕の家系は自由恋愛主義だから、次期当主の兄を除いて婚約者なんかいないんだけど。

 パーティーの他の人達も婚約者どうしっぽい人達は一緒にいたんだけど。

 もしかして、仲良くないのかな。でも、婚約者と居ないなんて、噂好きの貴族が囃し立てて面倒くさくなりそうだけど。

 その相手をする面倒くささよりも、一緒にいたくない気持ちの方が勝ったのかな。

 直接聞いてみたいな。っていうか、直接聞かないほうが不自然だよね。あぁでも、友として、ミシェルと殿下の間を取り持ってあげた方がいいかなぁ。

 でも、こういうのって他人がとやかく言うと、良くないよね。暫くは様子見かな。


 その間にあの男装女子に話を聞いてみよう。

 ホントになんで男装なんだろ?我がディマゴーク王国は女性の当主も認められているし、教国のような男尊女卑を助長する悪法はないから、家のためって訳じゃないだろうし。

 っていうか、周りは気づいてないのかな。中性的な美型だし、骨格がまんま女性だし。胸は強く抑えているのか、無かったけど。これで、気付かないのは、女性を胸だけで判断しているバカだけだろ。いくらなんでも、男をバカにし過ぎだ。

 同じクラスならいいな。面白いことになりそうだし。

 あ~でも。あのシャンパン溢した平民、彼女とも話したいなぁ。僕が帰る時に見たけど、彼女殿下と話してたんだよなぁ。こんなに早く殿下と平民が話すことになるとは思わなかった。

 彼女が問題を起こさなきゃ多分知り合わなかっただろう。学校で身分は一応関係ないけど、殿下と仲良くなりたくて話したい貴族が多い中、平民なのに唯一話すことに成功してるのは偶然なのかな。

 多分違うよね。狡猾だなぁ。第二夫人でも狙ってるのかな。もしかして―――――

 

「ちょっと、ハァハァ、いいですか。」


「もしかして僕に言ってる?」


 どうでも良いことを考えながら歩いていたら、声をかけられた。振り返ったら茶髪の少女が息を切らしてこちらを向いてる。

 ドレス姿でよく走れたなぁ。靴もヒールだし。普段からドレスで走ってるのかな。

 ぬ。あ!あの大人びた少女かな。多分…いや絶対にそうだ。感謝を伝えようとは思ったけど7年近く会ってないから、見つけられるか不安だったんだよね。ミシェルや殿下と違って一度話した程度だし。 


「なんだい。君には感謝してるから、大抵の頼み事や質問なら答えてあげるよ。」


「え。会ったことありましたっけ?まぁいいや。じゃあ、お言葉に甘えて。貴方も転生者ですか?後、『ときディス』をしってますよね?」


お読みいただきありがとうございます。

読みづらい所や内容が分からない所がないように努力します。すみません。

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