ナイスタイミング
ジャアントボアが出現し、シンとシュバ、それにケイ以外は皆恐れおののいていた。イオはいつものように漏らしていた。
「あいつはオレとシュバで倒す! 他のものは下がっていろ!」
シンはそういうと鉄斧を構えた。
「シュバ、とどめはオレがさす! あの黒いの出せるか?」
シンは横で剣を構えるシュバにブラックボールを打つように促した。
「そういうことか、任せろ!」
「ブラックボール」
シュバは剣を腰に差し、呪文を唱えた!
シュバの手のひらに黒い球が現れた。
「なんだあの球は!」
初めて見るトシたちは目を丸くしている。
「ドドドドドドッドドドドドッ」
ジャイアントボアは、もうシンたちの目の前まで迫ってきた。
「足を狙え!」
シンはシュバに叫んだ!
「くらえブラックボール」
シュバは力いっぱい黒い玉をジャイアントボアに投げつけた!
「シュンッ」
シュバの投げたブラックボールはジャイアントベアの左前脚の膝下にあたり、ジャイアントベアの左前脚の膝下はテニスボール大の大きさで消滅した。
「ガガッガッ」
突然左足の一部を失ったジャアントベアは大きく倒れこんだ。
「なんだあれは!」
初めてブラックボールの効果を見たケイたち6人は、さらに口を開けて固まっている。
「ドガっ!」
倒れこんだジャアントボアの脳天にシンは鉄斧を振り降ろした。
ジャアントボアはシンの一撃で絶命した。
「おおおおーーっ」
ケイたち6人は、驚きのあまり声を発した。
「いやー、お二人は強いですね! 感動してしまいました。」
トシは駆け寄ってきて、シンとシュバに握手を求めた。
「君たちと戦わなくて、よかった」
ケイは首を縦に何度も振り自分に納得していた。
他の元盗賊メンバーたち、それぞれに感動しているようだった。
「どうだ、おれ達はすごいだろう」
漏らしていたイオはいつの間にか、片足をジャイアントボアにかけて自慢げに話をしている。
「・・・・」
ケイたち6人は白い目でイオを見ていた。