目覚め
「ピタン」
シンの頬に雫が落ちる。
「んーーッ」
シンは洞窟の中で目を覚ました。
「がばっ!」
シンは、走り出して、洞窟の外に出た。
シンが目にしたのは、うっすらと登る煙と、草原の真ん中で死んだように眠るシュバとイオであった。
シンは二人のもとに駆け出した。
「だだだだっ!」
「シュバ! イオ!」
シンは走りながら二人を呼んだ。
「んっ! シンか」
「うーーんっ」
二人は目を覚ました。
「無事か?」
シンはシュバの肩を揺らしながら、尋ねた。
「ああ! それよりお前こそ、大丈夫か?」
シュバは昨日、あれだけの戦いをしたシンの体が心配であった。
「ああ・・・・」
シンは我に返って昨日の事を思い返した。
自分は鬼の姿になって、魔物をなぎ倒した。二人はもう俺を人間としてみてくれないだろうな・・・・
「そっか、よかった!」
シュバはにこっと笑った。
「シン、昨日はすごかったな!」
イオはワクワクした顔でシンを見ていた。
「そんな心配は必要なかったか・・・・」
シンは2人の表情に心から安心した。
「なんだシン、泣いてないかー」
イオが涙ぐむシンを見てからかうように言った。
「ガンッ」
シンはイオの頭を拳で殴った。
「いたっ! 何すんだ!」
シンはなぜか腹が立って強めに殴ってしまった。
「シン、これ見ろ!」
シュバは魔石で一杯になった大きめの麻袋3つを見せた。
「これだけあれば、当分生活には困らないぞ!」
「おおっ! だけどこれ運ぶのは大変だな・・・・」
シンはうれしさ半分、憂鬱半分であった。
「そうだよなー、今日1日歩けば次の町まではいけると思うけどな・・・・」
シュバも1日袋を担いで歩くと考えると一気に憂鬱になった。
「大丈夫だぞ、シンとシュバは力持ちだから! 応援するぞ」
イオがのうてんきに話した。
「がんっ」
「どがっ」
「どこつ」
「お前も持つんだよ!」
イオは1時間にわたってシンとシュバに殴り、蹴られた・・・・




