撃てストーンクラッシュ
「二人とも静かにしろ!」
シンはシュバとイオに小声で話した。
「いいか! ゆっくりと外に出るぞ!」
3人は音をたてないように洞窟の外に向かった。イオはぶるぶる震えている。
幸い、ヴァンパイアバットたちは、まだ活動時間ではなく寝ているものが多い。これまで三人が声を発して襲ってくることはなかった。
「いやあああああっ」
イオがまた大声で叫んだ!背中に雫が落ちたようだ。
シンとシュバはイオの方を睨んだ後、天井を確認した。
「よし、ギリギリ大丈夫そうだな!」
シュバとシンは顔を見渡した。
「ガサっ」
「さささっ」
「バサバサッ」
ヴァンパイアバットが目を覚ましつつある。
シンと先頭に、間もなく洞窟の出口である。
「ヴぁサっ」
1匹のヴァンパイアバットがイオの目の前を横切った。
「い、いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」
これまでにないような大きな声でイオは叫び声を荒れた。
「バカッ!」
とっさにシュバがイオの口を手で押さえた。
3人は同時に振り返って洞窟の天井を見た!
「だめだ! はしれーーーー!」
シンは叫んだ!
「ヴァサヴァサヴァサ」
「きいきぃキィ」
無数のヴァンパイアバットがシンたち三人に向かって飛んできている。
3人は洞窟の外まで出た。外はすっかり暗くなっている。
「とにかく走りまくれー」
3人は命の限り足を動かした。
「シュバ! あの石ころ出してくれ!」
シンは走りながらシュバに魔法を促した!
「石ころじゃないぞ! ストーンクラッシュだ!」
シュバはシンに激しく抗議した。
「そんなのどっちでもいい。早く!」
とにかくシュバの魔法でひるんでくれたら、何とかなるかもしれない。シンはかすかな望みにかけていた
「仕方ないな! ストーンクラッシュ」
数個の石礫がヴァンパイバットに向かって発射された。
「スカ」
さすがはこうもり系の魔物である。超音波でシュバの放つそれなりのスピードで飛んでくる石ころを難なくよけて見せた。
「おい、当たってないぞ! ゼイゼイ。 もっとどんどん打て!」
シンは息が切れだした。
「ゼイゼイゼイ・・・・オレもう走れないよーーーー」
イオはもう限界であった!
「任せろ! ストーンクラッシュ! ストーンクラッシュ! ストーンクラッシュ!」
シュバは次々魔法を放った。
「スカ スカ スカ!」
ヴァンパイアバットには1つの石礫も当たらなかった。