料理
無事、魔石を取り出し三人はほっとしていた。
「ところで、こいつはどうする?」
魔石を散りだしたヒュージクロウの体はそのまま残っている。
ゲームと違い勝手に消滅はしてくれないようだ。
「食べるか!」
シュバがボソッと呟いた。
「ええっ、これって食べられるのか?」
シンは仰天した。
たしかにこの先、大した食料もなく旅をしている3人にとって、狩った魔物を食材にできるなら、万々歳である。味はべつとして・・・・
「よし、イオ! お前調理しろー」
シンはイオに言い放った。
「えー、何で俺なんだよ!」
イオは足をバタバタして文句を言った。
「じゃんけんに負けただろう」
シンは何事もないような顔をしてイオに言った。
「確かにじゃんけんしたな」
シュバもシンに乗っかった。
「それは魔石の件だろー」
イオはさらに足をバタバタさせた。
シンとシュバは遠くを見ていた。
しばらくして観念したイオは火を起こしてヒュージクロウを丸焼きにした。
「さあ。できたぞ!」
イオは恩着せがましく二人に言い放った。
疲れてうとうとしていた二人は、のんびりイオの前に歩いてきた。
「こ、これ食えるのか!」
シンとシュバはただ、丸焼きにしたヒュージクロウをみて唖然とした。
「一応、羽はむしったし食えるはずだろう」
イオはそういうとシンにヒュージクロウの丸焼きを手渡した。
シンは斧で乱雑にヒュージクロウを3等分した。
「よし、食うか!」
3人は覚悟を決めてヒュージクロウにかぶりついた。
「ガフッ」
「カプッ」
「がブ!」
3人は顔を見渡した!
「まずい!」
「うっ」
「うーー!」
ヒュージクロウはとてもまずかった。まずいが、食べれないわけでない。3人は無言で修行のような気持ちでただひたすらカラスの丸焼きにかぶりついたのだった。