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魔石

「ポコッ ポコッ ポコッ」

 明らかにお粗末な魔法攻撃だが、ヒュージクロウに命中した。


「ドサッ」

 ヒュージクロウは突然の石礫に面食らって地面に落ちてしまった。

 しばらくあたふたした後、ダメージがほとんどないことに気が付いたヒュージクロウは再び飛び立とうとした。


「ドガッ」

 シンの斧がヒュージクロウの首を落とした。


「おおーーーーっ!やったぞ、初めて魔物を倒した!」

 シュバがシンに飛びついてきた!

「オレの魔法が決め手だな」

 シュバは再び胸をはって誇らしげであった。


「はいはい」

 シンはシュバの態度を呆れてみていたが、魔物を初めて倒したことに自信と安堵の表情を浮かべた。


「魔物ってことは魔石があるってことか?」

 イオは枝でヒュージクロウをツンツンしながら二人を見た。

 どんな魔物にもその体内には魔石がある。その魔石の魔力によって強大な力をふるうのである

 ギルドにこの魔石を冒険者が討伐の証として持っていけば報酬がもらえるのである。


「よし、イオ解体して魔石を取り出せ!」

 シュバがつんつんしているイオに促した。


「いやだよ! お前たちがやれよ」

「オレは嫌だ!」

「オレも無理!」

 三人はそれぞれ解体を押しつけ合って、1時間が経過した。


「仕方ない! じゃんけんで決めるか!」

 話し合いではもはや決まらないためじゃんけんをすることになった。


「よし、ジャンケン、ポン」

「ぐー」

「グー」

「チョキ!」


「ええええええー!」

 イオが解体担当になった!


「これ使っていいぞ」

 シンはイオに小刀を手渡した。

 イオはいやいやながら15分かけて魔石を取り出した。通常なら1分かからない作業である。

 ヒュージクロウの魔石は1cmほどの黒い球であった。

 シンは首から下げている袋に魔石をいれた。


「これいくらくらいするんだろう」

 イオはシンに尋ねた。


「オレもわからんが、こんな弱い魔の魔石は金貨1枚にもならないんじゃないか」

 せっかく苦労して倒した魔物の魔石の価値が低いことにイオはがっかりした。


「まあ、そんながっかりするな! こんなものはほんの一歩に過ぎない。おれたちはこれから何十、何百の魔物を倒すんだからな!」

 シュバはまた意味なく胸を張っていた。 


お読みいただきありがとうございます。

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