新たな襲撃者
サーベルタイガーが去って3人はほっとして地面に腰を落とした。イオは漏らしている。
「助かったな!」
「ああっ!」
3人はそれぞれ安どの表情を浮かべている。
「これから先もあんなのと戦わないといけないのかー」
シュバはシンに尋ねた。
「いあや、さすがにあのレベルのものは、そんなに出くわすことはないと思う!」
「おれたちは、早く弱い魔物を狩ってレベルを上げないとな」
30分程腰を下ろしていた3人はようやく腰を上げた。
「今日はもう戦いたくないな」
シュバは心の声が漏れてしまった。
「カー! カー!」
上空からけたたましい声が響いた!
ヒュージクロウである。1メートルほどの大きさのカラスのような魔物だ!
「こんな時に! シュバ魔法はまだ使えないか?」
ヒュージクロウはそれほど強い魔物ではないため、シンたちにも十分に倒せる強さだ。しかし、戦い慣れしてない3人は空を飛ぶ魔物は、嫌な相手であった。
「やってみる! ブラックボール! ブラックボール・・・・」
「だめだ、でない・・・・」
シュバはがっくり肩を落とした。
「ばかっ、そっちじゃない! あの石ころだせ!」
シンは強い口調で言い放った!
「石ころってなんだよー! あれはなストーンクラッシュっていう立派な魔法なんだぞ!」
シュバは唇を尖らせてシンに抗議した!
「まあ待て、さっきのでかいトラは無理だったが、あれくらいのカラスならオレの出番だ!」
イオはここぞとばかりに、しゃしゃり出てきた。
「さあ、でっかいからすよ、おれの従魔になれーーーー」
イオの手の先から出た淡い空気の幕がヒュージクロウを覆った。
ヒュージクロウは面食らってきょとんとしていた!
「おおーーっ、今度こそやったぞ!」
イオは振り返りシンとシュバの方を見てガッツポーズをとった!
「あぶない!」
シンはイオを突き飛ばした。
ヒュージクロウは、その鋭いくちばしでイオは突き殺そうとしたが、寸前でシンに突き飛ばされたイオは助かった。
「全然効いてないじゃないかー」
シュバはきれていた。
「怒ってないで、早く石ころだせーー」
シンはシュバに怒りをぶつけた。
「カー!」
再びヒュージクロウが飛びかかってきた。
「す、ストーンクラッシュう」
焦ったシュバが魔法を唱えると、先ほどよりもヘロヘロとした石礫がヒュージクロウを襲った。