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それぞれの旅立ち

 シンたち3人は食事を終え、お代わりのミルクを飲んでいた。

「二人に話がある! アプロンドにいかないか!」


 闇が世界をおおった後、いくつかのダンジョンが世界に出現した。ダンジョンのいくつかは人が住む町の近くや比較的安全な場所にも現れたため、いくつかのダンジョンには冒険者が集まりダンジョンを囲んで街ができていた。

 

 アプロンドはそんなダンジョン街の一つであった。


「いこう!」

 シュバが再び立ち上がってミルクを一気飲みした。


「さっきシンはダンジョンには行かないっていったじゃないか!」

 イオは不満気だった。


「もちろんいきなりダンジョンには潜らない。 俺たちにはまだ拠点もないからアプロンドに拠点を置いて、力が付いた後、ダンジョン攻略しようと思う。」

 シンは真剣な顔で二人に話した。


「いいんじゃないか!」

 シュバはいつの間にかミルクをお代わりして、再び一気飲みしていた。


「こいつ何杯飲むんだ!」

 オレは心の中でささやいた。


「二人がいいなら明日出発しようと思う。アプロンドに行くって言ってもいまや草原や街道でも魔物が出る!」

「行くだけでも危険だが、経験値を稼いでレベルをあげながら行けば、意外とすぐダンジョンにも行けると思うんだ」

 

「わかった、おれたちのパーティのリーダーはシンだ! お前が決めたところに行こうぜ!」

 シュバはまたまたミルクを一気飲みしていた。


「えーーっ! シンがリーダーなのか! おれは年上なんだぞ!」

 イオは足をバタバタさせて憤慨した。

 シンとシュバは特に気にするそぶりもなく店を後にした。


「明日出発したら、しばらく帰れない。もしかしたら帰ってこられないこともある。しっかり別れをしたい人には今日中に話をしておけよ」

 シンはシュバとイオに目を見て話した。


「そうだな・・・・」

 シュバは遠くを見ていた。手にはミルクが握られていた。


 シンはその夜母に出発の挨拶をした。

「母さん、明日行ってくるよ」


「必ず生きて帰ってくるんだよ」

 シンの母はそれ以上何も言わず、シンを抱きしめた・・・・




「父さん!」

 シュバの父は、領地から避難してきていた。


「行くのか! まさかこんな世界になるとはな・・・・」

 シュバの父は以前のような毒気がなく、一気に老けていた。


「父さん、元気で!」

 シュバはそういうと部屋を出て行った。


「シュバよ! こんな父ですまなかった」

 シュバの父の頬には涙が流れていた。




「チコちゃん、オレ明日行ってくるよー」

 イオはお屋敷のメイドのチコちゃんのことが好きだった。


「んっ? どこへ? お土産よろしくー」

 チコちゃんはあくびをしながらお尻をかいていた。


「わかったよー、まっててね!」

 イオがそういったころには、チコちゃんは夢の中にいたのであった。



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