シンの鑑定
シンは二人の耳元で大きな声で叫んだ!受付の男とイオが奥の部屋から出てきた。
「やったよ、おれ! ステイタスが職業選択したら一気に上がったんだ」
イオはとても嬉しそうに、シンとシュバに語った。
「そうだよな! オレもそうだった! 早く魔物と戦いたいな!」
シュバはイオと抱き合って、興奮していた。
「そうだな、まあほどほどに頑張れよ」
イオの喜ぶ姿を見ていた、受付の男の顔は引きつっていた。
「さあ、最後は坊主だな!」
受付の男はシンの背中をポンと押した。
「いよいよオレの番だ! ゴブリンや鬼なんて鑑定が出たらどうしよう! いきなり討伐されたりなんてことはないと思うけど・・・・」
シンは不安でがちがちになっていた。
「おいシン! そんなに緊張しなくても大丈夫だぞ!」
シンの心配事を知らないシュバは、緊張しているシンを見て大笑いしていた。
「ああ、大丈夫だよ! 行ってくる」
シンは心を決めて鑑定室に入った!
「それじゃ、この水晶に手をかざして念を送ってくれ」
受付の男は、3人目なので、少し適当になってきていた。
「はい」
シンは緊張の面持ちで手をかざした。
水晶が青白く光り、文字が浮かんできた!
名前 シン
種族 人間
性別 男
年齢 10
レベル 1
身分 平民
選択可能職業
破壊者
魔法
なし
スキル
鬼人化
ステイタス
体力 25
魔力 20
攻撃力 26
防御力 20
精神力 37
素早さ 31
器用さ 15
賢さ 37
魅力 18
「おお! 人間だ! ゴブリンでも鬼でもなかった!」
シンはステイタスやスキルには目もくれず、種族が人間だったことで、心から安心した。
「オレ、とうとう人間になったんだ!」
「何言ってんだ! お前!」
シンは思わず声が漏れてしまっていた。
「それにしても職業選択前からスキルがある奴なんて、初めて見たぞ!」
「鬼人化って何なんだ! 長年鑑定の仕事やってるが、みたことないスキルだ!」
受付の男はシンのスキルやステイタスをまじまじ見ていた。
「選択可能職業が一択っていうやつもいなかったな、この破壊者っていうのも聞いたことないな! お前は不思議な奴だな!」
「はははは、何なんですかねーー。それじゃ」
シンはそそくさと鑑定室の外に出ようとした。
「おいおい待て! いくら一択って言っても職業選択しないとな。」
「もう一度水晶に念じてみてくれ」
名前 シン
種族 人間
性別 男
年齢 10
身分 平民
職業 破壊者
レベル 1
魔法
スキル
鬼化
ステイタス
体力 55
魔力 25
攻撃力 72
防御力 38
精神力 41
素早さ 39
器用さ 10
賢さ 38
魅力 19
職業を破壊者に選択することにより新たなシンのステイタスが表示された!
「お前すごいな! レベル1で攻撃力72かよ!」
受付の男はシンのステイタスをまじまじで眺めていた。
「一応オレの立場では個人情報の保護を守らないといけないからなー!」
「ん――っ、誰かに言いたい!」
「ダメですよ!」
シンは食い気味に止めた。
「わかっとる、冗談だ! 心配するな!」
二人は鑑定室を出ると、シュバとイオが寄ってきた。
「おい、シンどうだった!」
イオがシンの顔を覗き込んできた。
「うん、まああんなもんかな!」
シンは小声で応えた。
「なんだよ、それ! おれたちはお前を待ってる間にお互いの職業のこととか話してたんだ! シンは何の職業にしたんだ」
シュバがシンに詰め寄った。
「破壊者っ」
シンはさらに小声で応えた。
「何? きこえないよー」
シュバとイオはシンに耳を近づけてきた!
「だから、ハカイシャだーーーー」
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