謎の声
舞台は再び現在に戻ります。
「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
ノブは苦しみ続けている!
「おいおい、大勇者が情けないな」
「仕方ないな、これでどうだ少しは楽になっただろう」
どこからか聞こえる声がそういうと、ノブは少し落ち着いたようだ。
「く、くそっ! 何者だ!」
ノブは立ち上がり、戦いの顔になった。
「この声を忘れたのか?」
「ガ、ガリウスかっ!」
ノブは驚きの表情で応えた。
「おおっ、やっと思いだしたか。忘れてしまったのかと思ってさみしかったよ」
声だけのガリウスはノブをもてあそぶようにそう言い放った。
「何の用だ! オレは忙しいのだ!」
ノブは冷たくガリウスに言い放った。
「ああーーーーっ! 悲しいこと言うね――――! やっぱり忘れてるのかな?」
ガリウスはくすくす笑いながら話している。
「ほらほら、シャリーンに会わせたら、何でもするって約束したよねーーー」
「えへへへへっ」
ガリウスはとても嬉しそうだった。
「約束のことは覚えている! シャリーンに会えたら何でもやってやるよ!」
「それまではしゃしゃり出てくるな! 邪魔だ!」
ノブは苛立ちがちに応えた。
「おやおや、だから私はお前に会いに来たのだよーーーっ」
「お前はシャリーンにもう会ったじゃないか、わはははは」
ガリウスはとっても楽しそうだった。
「んっ、確かにシャリーンの気配はずっとしていた! どこかですれ違ってしまったのか?」
ノブはきょろきょろあたりを見渡した。
「おいおい、何してるんだ! シャリーンならお前の足元にころがってるだろ! イヒヒヒ! あはははっははははは!」
ガリウスは大笑いした
ノブはギョッとして、足元に転がっているシンの妹の顔を見た。
「ば、馬鹿なことをいうな! これは醜いゴブリンではないかーーーー!」
ノブは顔を真っ赤にしてガリウスを責めた。
「お前は馬鹿か! シャリーンは1度死んだのだぞ! 転生して生まれ変わっているのがわからんのか? 大勇者も大したことはないのーーーーーーっ」
「うふふふっふっ」
ガリウスは笑いを抑えきれなかった。
真っ赤な顔をして怒っていたノブの顔は一気に真っ青になった。
第63話をお読みいただきありがとうございます。
間もなく第1章が終了します。
面白い、応援したい、次話が読みたいと思われた方はブックマーク、評価をお願いします。
評価は各話の広告下の「☆☆☆☆☆」からです。
評価を頂くと大変うれしいです。
作者の励みになりますので、よろしくお願いします。