表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/350

母と妹

「カツカツカツ」

 ノブの不気味な足音が洞窟の中に響き渡っている。

「シャリーンの気配がするのは、こっちだなーー。君のノブが来たよー」

 ノブは不気味に洞窟内を奥へ奥へと進んでいる。もはや勇者の面影はない。


「ブルブルブル」

「ドキドキドキ」

 最奥の箱の中に隠れたシンの母と妹はどんどん近づいてくる不気味な足音と気配に生きた心地がしなかった。


 ノブはとうとう洞窟の最奥までたどり着いた。

「おや、行き止まりだな! シャリーンの気配はこの辺りからしてるんだけどなーーー」

「シャリーン! あなたのノブちゃんが来たよー どこに隠れているのかなーーー」

 もはや勇者ではなく住居侵入してきた変質者そのものである。


「ここかな?」

「こっちかな?」

 ノブは最奥に積まれている食材の箱を順番に開けている。

「わかった! こっちだね! 実は最初から分かってたんだけどねーーー」

 とうとう二人が隠れている大きな箱にノブの手が伸びた。


「はい! みーつけた!」

 ノブは二人が隠れている食材の箱のふたを開けた!

「はぁーーーーーーーーっ」

「なんだ、お前たちは」

 ノブの顔は一気に恐ろしい形相に変わった。

「グワシャーーンッ」

 ノブは二人が入る箱を蹴り飛ばした。

 母と妹はその衝撃で箱から飛び出した。

「シャリーンはどこだ! どこに隠した!」

 ノブは大剣を手に母に近づいてきた。


「私はし、知りません!」

 母は恐怖から体が硬直し、何とか声を絞り出した!


「あっ、そう!」

「ビュッ!」

 ノブは無表情に母の首をはねた!


「ひえ―――っ」

 目の前で母の首が飛んだ瞬間を見たシンの妹は恐怖で失禁してしまった。

「こっ、こないでーーーー!」


「漏らしたなーーー! 汚い奴だな! オレはお前みたいな不細工な奴が一番嫌いだ!」

「私の愛するシャリーンはな、神のような美しさなんだぞ! 醜いお前など生きている価値がないな」

 ノブは妹を軽く蹴飛ばしながらもてあそんでいた。


「はい! では1度だけチャンスをあげまーす! シャリーンはどこですかーーー」

 ノブはけらけら笑いながらシンの妹に尋ねた。


「し・・・っ」

「ビシュッ」


「あっ」

 ノブは妹が答える前にその首をはねてしまった。

「不細工すぎて、殺しちゃったよ」

「わはははっはははははははっは」

 ノブの高笑いは洞窟中に響いた。


 第62話をお読みいただきありがとうございます。

 面白い、応援したい、次話が読みたいと思われた方はブックマーク、評価をお願いします。

 評価は各話の広告下の「☆☆☆☆☆」からです。

 評価を頂くと大変うれしいです。

 作者の励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ