ノブとガリウス
「合わせてやってもよいが、約束は必ず守るか?」
「約束?」
「なんじゃ、忘れてしまったのか! なんでもいうこと聞くといっていたではないか!」
ガリウスの声は震えていた。
「もちろんです」
ノブは焦って約束のことを確認した。
「まあ、よいわ! 今すぐお前に何かを求めることはないが、いずれ必ず、そなたには約束を果たしてもらう」
ガリウスは意味深な声でノブに伝えた。
「シャリーンだが、先ほども話したが復活はできん。なぜならすでに生まれ変わっているからじゃ!」
ガリウスはあっさりとすごいことをノブに伝えた!
「エーーーーーッ」
ノブはのけぞって転んでしまった、
「うるさい奴じゃなー! シャリーンは西の果ての洞窟におる。」
「そこに行けば会えるのですか! ありがとうございます! すぐに向かいます」
ノブはすぐにもシャリーンのもとに向かう勢いだった。
「まあ、待て! この世は輪廻転生で魂は生まれ変わって新しい肉体に宿るが、普通は前世のことなど覚えていない! 当然、お前のこともな」
ガリウスはノブを引き留め、今の置かれている状況を丁寧に説明しようとした。
「そんなことは構いません! それがシャリーンであるなら! それでは私はこれで!」
ノブはまた急いで出立しようとしていた。
「だから、またんか!」
ガリウスは少しノブにキレていた!
「確かにシャリーンは生まれ変わっておるが、以前の姿ではないし、もはや魔王の力もない!」
ガリウスは話を続けようとした。
「それでは、ありがとうございます」
ノブはガリウスの話もそこそこに出発してしまった!
「・・・・・・」
「なんなんだ、あいつは、わしはガリウスじゃぞ!」
ガリウスは大いに憤慨した。
◇◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ノブはガリウス島の海岸沿いまで、風のような速度で走りついた。
「人魚姫――――!」
ノブは大きな声で人魚姫を呼んだ、その声でガリウス島の巨大な魔物たちがノブに向かってきた。
次の瞬間にノブの体は巨大な泡に包まれて、海中にあった。
「お前はばかか! あんなところで叫んだら命がいくつあっても足りないぞ」
人魚姫は大いにキレていた。
「私をすぐに地上に帰して下さい。」
ノブは周りが見えてなかった。
「・・・・・・」
人魚姫はかなり憤慨していた。
「なんなんだ、あの態度は! わらわを誰だと思っておるのだ」
人魚姫は起こりながらもノブを大陸の端の海岸まで送っていった。
「ありがとうございます」
ノブはそういうと走り去っていった。
「はあ・・・・」
人魚姫は深いため息をついた。
ノブは2つの大きな約束をしたことをすっかり忘れて、シャリーンのもとを目指していた。