ガリウス
「ザザッ」
「ザザザザッ」
四方八方から数十本の巨大な枝がノブに襲い掛かる。
ノブはその凄まじい剣撃によって極太の枝の攻撃を打ち払っていった!
ノブと森の戦いは10時間にもおよんでいた。
「キリがない! これ以上は防ぎきれない」
ノブはとうとう膝をついてしまった。
「ドザーッ」
その時ひときわ大きな枝がノブに襲いかかる。
「もうだめか!」
ノブは死を覚悟した。
その時、深い蒼の闇が森全体を一瞬にして覆った!
「なんだ! 何が起きた! 何も見えないぞ」
ノブは突然の闇に戸惑ったが、長時間の戦いで満足に体を動かすことができない。
「くそっ! 今度は何が来るんだ。 これがガリウス島か!」
やがて闇は晴れてあたりが見えるようになってきた。
「全く情けない奴だ、ダークフォレストも撃退できないとは!」
どこからともなく、心の奥底に響き渡るような重い声が聞こえてきた。
「えっ、この声はもしや!」
ノブは歓喜の表情をし、声に呼び掛けた。
「あなたは、ガリウス様ではありませんか?」
ノブの声にこたえるように、深い闇の塊が現れた。ノブは目を凝らして闇の中を覗き込もうとしたが、その先を見通すことはできない。
「そなたがノブか! シャリーンから聞いてはいたが、大した男ではないな!」
闇の奥から、声がきこえてきた。
「私は、あなたに会うためにこの島にやってきました!」
ノブは闇の塊に駆け寄った!
「シャリーンを、シャリーンを復活させてもらえませんか! シャリーンを魔王にしたあなたならできるはずです!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
闇はノブの懇願に何も答えない。
「お願いです! シャリーンなしでは私は生きていけない! シャリーンに再び会えるのなら私は何でもします!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「シャリーンのコアは完全に破壊されて、彼女は完全に死んでしまった! 私といえども、すでに完全に死んでしまったものを復活させることはできない!」
闇ははっきりと答えた。
「そんな・・・・」
ノブは最後の希望が潰えて肩をがっくりと落とした。
「復活させることはできないが、会うことはできる・・・・」
「えっ! どういうことですか!」
ノブは前のめりで闇に再び駆け寄った。