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クラーケン

 ノブは海の戦いの経験はないが、これまで曲がりなりにも勇者として戦ってきた自分に自信があった。   魔王と恋に落ちたことにより、魔王や魔王軍幹部と戦うことはなかったが、巨大なゴーレムや、オークロードにもひけを取ったことがなかった。

「気持ちいい風だな! 海に出るのは初めてだがもっと早くこればよかった!」

「シャリーンと二人で舟をこいで世界の海を旅をすれば楽しいな! オレは諦めないぞ! あのしぶといシャリーンのことだ、オレさえ諦めなければ・・・・」


 その時激しい波しぶきがノブを襲った! 巨大なサメの魔物メガスロンが現れた!

「現れたか! ファイヤースラッシュ!」

 ノブは得意の魔法を唱えた! 大きな火球がメガスロンに向かって飛んでいく!

「バシッ!」

 何かがノブの放った火球を簡単に弾き飛ばした!次の瞬間巨大な何かがメガスロンに巻き付いて海に引きずりこんだ!

「なんだ! 何が起きた?」

 ノブはあたりを見渡した。

 海は先ほどまで激突が嘘のように静まりかえっていた。

 ノブは波一つない海を見つめ、これまで感じたことのない緊張感に包まれた!


「ざざーっ」

「ざぶーん」

 ノブは何かに突然海の中に引きずりこまれた。

「ぐふっ」

 ノブは勇者の力をフルに使いノブの体を締め付ける何かを引きはがそうとする。

 しかし、ノブの力は全く通じない!

 10メートル、20メートル、30メートル、40メートル

 ノブは海底にどんどん引きずり込まれるばかりだ。

「ぐっ!苦しい!このままではだめだ」

「仕方ない、アトミックボム!」

 次の瞬間ノブの体を中心に大爆発が起こった。

 あたりの水は、蒸発し、ノブをつかんでいた何かもノブを放していた。

 その時ノブの目に体の半分を失った20メートルはあろうかという巨大なイカの魔物が映った。

「やはりクラーケンだったか! とりあえずは倒すことができたようだな・・・・」


「シャリーン・・・・」 

 ノブは薄れゆく意識の中で魔王シャリーンとの思い出の数々が走馬灯のようにあふれては消えていった。


「・・・・」

「・・・・」



「んっ!」

 ノブはまばゆい光で目を覚ました。

「ここはどこだ!」

 ノブは見たことがない幻想的な景色に、一気に目が覚めた!

 頭上には、淡いピンクの空が広がって、その空から光がさしている。

 地上には見たことがない巨大な木々が広がり、遠くには石でできた高さ100メートルはあろうかという棟がそびえたっていた!

「オレはクラーケンに引っ張られて・・・・ガリウス島についたのか?」


「ガンッ!」

 ノブは後ろから強く殴られて気を失った!


「違うよ、馬鹿め!」

 魚の姿をした人、魚人族であった!


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