マハと女教師
イシンとセリア、マハは学校を終え帰宅の途に仲良くついていた。
「そういえば、マハ昨日先生に呼ばれたのは、何の剣だったの? 私はてっきり何か重大なことが起こるんじゃないのかって心配してたんだけど・・・・あっさりとイシンの言うように登校してきてなんだか拍子抜けだったわ!」
セリアは自分が感じた不穏な雰囲気が全く杞憂だったことが不満なようだ。
「まあ、何事もなく変えてきたんだからいいじゃないか」
イシンはセリアとマハの肩を抱いてニコニコしていた。
☆☆ ☆ ☆
マハが教室で呼び出しを受けた直後、マハは一人の女教師の部屋の前にいた。
「コンコン」
マハは少し緊張してノックした。
「はいりなさい」
部屋の中から女教師の声が聞こえた。
マハはゆっくりと扉を開けた。
中には黒髪長髪の美しい女性が腰かけていた。
「マハ君、座って!」
マハは女教師が進めるままに椅子に腰かけた。
「ぼくは、何故呼ばれたのでしょうか?」
マハは何の心当たりもなかった。
「そんなに緊張しないで! まずはこれでも飲んで」
女教師はマハに赤いハーブティーのようなものを差し出した。
マハは一気に飲み干した。甘い香りが一気に漂ってきた。
「マハ君、あなたデーモンハンターよね」
女教師は前触れもなく、マハの予想外の質問をしてきた。
マハは立ち上がろうとしたが、力が入らなかった。
「そんなに身構えることないわ! それにもうこのハーブが聞いて力が入らないはずよ! 今のあなたはとっても無防備な状態 うふふふ! 」
そういうと女教師の額からは角が生えて背中からは巨大な羽が生えてきた。女教師はヴァンパイアデビルであった。彼女は妖艶な悪魔であり、変異した状態でもとても魅力的な女性であった。
「私の能力は人間を魅了すること! 今のあなたは私の思い通りに動いてくれるようになるわ! 」
そういうと彼女は動くことができないマハの顎をもち、ふっと息を吹きかけた。
マハは一気に意識を失った。
「これであなたは私の思い通り! もちろん今日の事は何一つ覚えていないわ! 」
そういうと女教師は意識を失ったマハの耳元で何やらささやいた。
「うふっふ! 安心しなさい、私が興味があるのはあなたじゃなくてイシンよ!」
1時間ほどが経過したとき、マハは目を覚ました。
「マハ君、よっぽど疲れていたのね。ハーブティー飲んだら寝ちゃったわよ・・・・」
女教師は心配そうにマハに話しかけた。
「すいません・・・・話の途中で寝てしまうなんて・・・・」
マハはハーブティーを飲んだ後の事を全く覚えていなかった。
「疲れているようだから、今日はいいわ」
女教師は扉を開けてマハを返そうとした。
「あ、あの僕は今日どうして呼ばれたのですか?」
マハは不思議そうに尋ねた。
「ああ、あなたがあまりに優秀だから誉めてあげようと思って! だけど疲れてるようだから、帰って休みなさい! あんまり頑張りすぎちゃだめよ! 」
そういうと女教師はマハを部屋から出して扉を閉めた。
マハは首をかしげながらも、帰宅した。
「うふふ、デーモンハンターもかたなしね!」
女教師は怪しげな笑みを浮かべた。
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