事件その後
魔導士隊隊長のライデンは公園近くで発見された悪魔の死体を回収したが、公園で発見された市民の死体の原因等、判明しないことが数々あった。
この事件の後、学園付近での無差別殺人はなくなり、平穏な日々を取り戻していた。
「マハ、おはよう! 相変わらず暗い顔してるわね!」
セリアはマハの姿を発見して強めに背中をたたいた。事件の後セリアとイシン、そしてマハは親友の様に毎日学園で一緒に過ごしていた。
セリアとイシンはマハの異様な人見知りを治そうと積極的に話しかけていた。
「それにしてもマハって、戦ってる時と普段の感じに差がありすぎだよね」
イシンもマハの隣に来て、肩を組みながら話している。
「2人とも、そんなくっつかなくても・・・・」
マハは一見嫌がっているようだが、自然な笑みがこぼれていた。
「だけど、あのあと襲われる学生もいなくなって、平和になったね!」
セリアは心から安心しているようだ。
「これからは勉強に専念できるよ!」
3人とも悪魔を自分たちが倒したことを魔導士隊に報告していない。イシンとセリアは必要以上にかかわりたくないためだが、マハは今後のデーモンハンターとしての活動に支障をきたさないようにするためだった。
「安心してる2人には悪いけど、この学園には隠れた悪魔がいると思う・・・・」
マハは真剣な顔で2人に話した。
「えっ! どうしてマハはそう思うの? だってあれから誰も襲われないじゃない!」
セリアは突然のマハの話に反論した。
「ぼくも確証があるわけじゃないけど、あの悪魔はなり立てだった! やつを悪魔に変えたヴァンパイアデビルがいるはずなんだ!」
マハはこれまでの経験で確実だと思っていた。
「じゃあ、なぜ新たな事件が起きないんだ?」
学園に向かっていた3人は足を止めて話を続けた!
「もともと奴らはこんなに目立つ事件を起こすことは少ないんだ! 社会に目立たないように、いつの間にか人間が消えていることが通常のパターンなんだ!」
「今回のような目立つ事件を起こせば、討伐してくれと言ってるようなものだからね!」
少なくとも1体は学園周辺にいるとマハはいった! 最悪数体が存在していることも考えられると・・・・
「じゃあ、どうやって奴らをあぶりだすんだよ!」
イシンはそう話しながら疑問に思った。あの宝玉で学園中の調査をしたはずじゃないのかと・・・・
「君たちが疑問に思うことは当然だ! おそらく何らかの方法で調査をすり抜けてると思う・・・・」
マハは歯を食いしばって悔しがった。
「だけど、とりあえずはマハも学園生活楽しもうよ! そんなに暗い顔ばっかりしてるとモテないよ!」
セリアは能天気にマハの頭をぐしゃぐしゃとかき回した。
「ちょ、ちょっとセリア・・・・」
マハは初めてできた友達を満喫していた。
いつもお読みいただきありがとうございます