デーモンハンター
「あなた、さっき大講堂で・・・・」
セリアが女学生に話した。
「あら、何だ! 気づいてたの! 満腹で気分がいいから見逃してあげようと思ったのに」
「セリア、あなた馬鹿ね!」
そういうと女学生はゆっくりと2人に近づいてきた!
「下がって!」
イシンはセリアをかばうように前に出た。
「馬鹿! お前も下がってろ!」
セリアとイシンの背後から声がかかった! マハだった・・・・
「あらあら、またまたクラスメートのご登場ね!」
女学生は人数が増えたことに、何の脅威も感じていないようだ。完全にイシン達をなめているようだ!
「根暗クン、あなたの声初めて聴いたわよ!」
「臭い息を吐くな! くそ悪魔め!」
マハはいつもと違って饒舌だった。
「ちょ、ちょっとあんた! 珍しく強気なようだけど、相手は悪魔よ! 逃げるわよ!」
セリアが戦おうとしているイシンとマハの手を引き逃げようとした。
「そうそう、珍しくあんたが正しいわよ! 逃げた方がいいわ!」
女学生は手をたたいて逃げようとしているセリアをほめたたえた。
「まあ、もっとも逃がさないけどね! 私ずっとイシン君のこと食べちゃいたいと思ってたのよ!」
女学生が言いはなった食べるはまさしく食すということである。
「お前たちは直ぐにここから離れろ!」
マハはセリアの手を振りほどき、2人の前に出た。
「だから、あんたねーっ!」
セリアが再びマハの手を取ろうとしたが、イシンがその手をとった。
「セリア、ちょっと待って!」
イシンはそのままセリアの手を取って数十メートル後ろに下がった。
「マハ、オレも一緒に・・・・」
イシンがすべてを発する前にマハは手で制止した。
「お前が強いのはわかるが、こいつはオレの専門だ! 任せてくれ!」
マハはそういうと女学生に向き直った。
「専門って・・・・」
イシンはマハの自信にあふれる後姿をみて、それ以上動かなかった。
マハのからだを青白い炎が包んだ! マハが右手を前に出すと突然巨大な死神の鎌のようなものが出現した。曲線の刃渡りだけで2メートル、さらに持ち手の部分も1メートル以上ある巨大な鎌である。
巨大仲間を持ったマハの姿を見てそれまで余裕の表情だった女学生は途端に眉間にしわを寄せて歯を食いしばった。
「貴様―っ! デーモンハンターか!」
女学生は再び異形の存在の姿になった!
「今日が貴様の命日だ!」
マハは大鎌を悪魔に構えた!
いつもお読みいただきありがとうございます。