魔導士隊
「やはり悪魔だったか!」
ライデン達魔導士隊は異形の化け物に変容した女学生の周りを囲んだ!
他の学生たちは出口が開かれたことにより一斉に出口に殺到した。
「キャーッ」
セリアは学生たちに押されて倒れてしまった。
「大丈夫かセリア!」
イシンはセリアを抱きかかえたて出口に向かった。その時悪魔に変わった女学生を睨みつけているマハの姿を横目で見た。
「君、何をしているんだ! すぐに非難するなんだ!」
大講堂の中央で女学生を睨みつけていたマハだったが、警備員に誘導され仕方なく出口に向かった。
「先生たちも、早く非難してください!」
悪魔に立ち会いながらライデンは教師たちを大講堂の外に出した。最後に警備員たちも大講堂を出て、中には悪魔と化した女学生とライデンら魔導士のみとなった。
「悪魔よ! とうとう我らだけとなったぞ! 大人しくするなら、苦しまずに殺してやるぞ!」
ライデンはそういいながらゆっくりと魔導士たちに指示を出し悪魔を囲んでいった。
「ぐうううううっ! ひ弱な人間ふぜいが!」
悪魔はライデンに飛びかかってきた。
「やれっ!」
ライデンの合図で複数の魔導士が火魔法を放った。悪魔は全身を火に包まれた。
「ぐうううううっ」
悪魔は火に包まれて苦しんでいるように見えたが、火に包まれたまま次の瞬間には一人の魔導士の背後にいた。
「えっ、く、くるなーっ」
魔導士は突然背後に回り込まれてパニックになって持っている杖で攻撃しようとしたが、悪魔に喉元を食いちぎられた。
そのまま悪魔は彼の親族を抉り出し食べた!
やがて全身を覆っていた火は消えたが、悪魔のダメージはほとんどないようだ!それどころか、魔道士の心臓を食らい、わずかではあるがパワーアップしたようだ!
「こいつ!」
ライデンは歯ぎしりをした。通常のヴァンパイアデビルくらいなら、この数の魔導士にかかれば十分に対応できるが、ライデンの前にいた女学生だった悪魔はこれまで数十人の人間の心臓を食らってきた。
彼女はこの学園に入学する前に地元である小村の住民をすべてくらっていた!
ヴァンパイデビルはより多くの人の心臓を食らうことにより強大な力を得ることができる。ライデンは一瞬で魔導士の背後に回った悪魔の動きを見て、この個体が通常の悪魔ではないと判断した。
「アレを使うぞ!」
ライデンは魔導士たちに呼び掛けた。
「しかし、こんなところで使えば・・・・」
魔道士たちは一瞬躊躇したが、ライデンの目を見てそれ以上の言葉を発しなかった。
魔導士たちは悪魔にこれ以上襲われないように3人1組に固まってすぐさま詠唱を始めた。
「なにふぉ・・・・」
悪魔は何かを感じたようで、詠唱をやめさせるべく魔導士に突っ込もうとしてライデンの剣に止められた!
「私は剣士としても優秀だぞ、悪魔め! お前の足止めくらいなら私一人で十分だ!」
魔導士隊の隊長であるライデンだが剣士としてもこの国で1、2を争うほど優秀であった。
いつもお読みいただきありがとうございます。