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お披露目2

 学生たちは順番に魔法を披露していって、入学式でセリアに絡んだ小太りの学生の順番が回ってきた。

「お前ら、オレの土魔法をみて腰を抜かすなよ!」

 彼は大きく手を広げて魔法を詠唱した。

 彼の手の間には50cmほどの土の塊が発生した。


「おおおっ」

 その大きさを見た学生たちから声が上がった。


「ぼとっ」

 その土の塊は標的に届くことはなかった。彼の前方30cm程で地面に落ちて粉々に壊れてしまった。


「クスクスッ」

 学生たちから失笑が起こった。

 魔法を放った彼は顔を真っ赤にして後ろに下がってしまった。

 しかし、あれだけの大きさの土塊を発生させて事はなかなかだと担任のモアナは評価していた。


 魔法のお披露目はその後も順調に進んでセリアの順番が回ってきた。

「では行きます!」

 セリアは目を閉じて集中した。簡単な詠唱を唱えるとセリアの手のひらから炎の刃が生まれた!

 セリアは目を開いて弓矢を構える要領でその炎の矢を放った。


「ドバシュッ」

 炎の矢は見事、木の標的を打ち抜いて闘技場の壁まで到達した。結界が張られた壁で炎の矢は消滅した。

 射貫かれた標的は真っ二つに引き裂かれて、やがて燃え尽きてしまった。


「スゲエッ!」

 担任の炎魔法をはるかに超える炎魔法に学生たちは驚嘆の声をあげた。


「チッ」

 担任のモアナは爪を噛んで舌打ちした。


「すごいねセリア!」

 イシンはセリアの魔法をほめたたえた。


「あ、ありがとう・・・・」

 セリアはイシンに褒められて顔を真っ赤にした。まんざらでもないようだ。


 その後も学生たちは順番に魔法を披露していったが目につくようなものは現れなかった。

 残ったのはイシンと入学式でセリアを突き飛ばした長身の不気味な男だった。


「あいつ同じクラスだったのね・・・・」

 セリアは少し顔を青くして、とても嫌そうな表情だった。


「まあ、多少不愛想だけど、同じクラスなんだから仲良くしようよ!」

 イシンは少し不安に思いながらも不気味な同級生をフォローした。



 いつもお読みいただきありがとうございます。

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