入学式
セリアは柄にもなくドキドキしていた。周りが自分よりも優れた魔導士にみえたからだ!
「イシン、私なんだか・・・・お腹痛くなってきたわ!」
セリアはイシンの方にしがみつき顔は青白くなっていた。
「おいおい、入学初日でいきなり緊張して、おおかた腹でも痛くなったか!」
セリアの姿を見て同じく胸に花をつけた大柄な男が話しかけてきた。
「な、なによ、あんた! 自分の顔見てから話しかけなさいよ!」
セリアは男に絡まれて腹痛が吹っ飛んだようだ!
「なんだと、このブスが!」
男はセリアに顔のことを指摘させて、言い返してきた。セリアはどこから見ても学校でもトップクラスの美少女である。
「邪魔だ! どけっ!」
正門の前で言い合いをしているセリアと男の間を一人の新入生が二人を振り払って後者に歩いていった。
「な、何よ・・・・」
セリアは一旦男に文句を言い抱えたが、男の放つ異様な雰囲気にそれ以上言葉を発しなかった。
彼は2メートル近い身長で肌は透き通るような白で長い手足をしていた。
セリアと言い合いをしていた男も、その男の放つオーラにすごすごと退散していった。
「大丈夫?」
イシンは呆然としたセリアを心配して話しかけた。
「だ、大丈夫よ・・・・行きましょう・・・・」
セリアは緊張は解けたようだが、恐怖のようなものを感じていた。
2人は入学式が行われる講堂に向かった。
行動には新入生100名と在校生、教師などが総勢500名程が寿司詰め状態だった。
しばらくすると司会の挨拶とともに入学式が始まった
「みなさんイースト魔法学校への入学おめでとう! ワシは学園長のワシャハだ!」
学園長の面白くない話は延々1時間続いた。最初緊張していた生徒もだんだんとだらけて中には立ったまま寝ているものもいた。
「ちょっと、イシンこの話いつまで続くのよ!」
セリアはすっかり元気になっていたがあまりに長い学園長の話にイライラしていた。
「さすがに、もう終わるんじゃないかな・・・・」
イシンも、さすがに疲れてきていた。
しかし、学園長の話はそこからまだ2時間も続いた・・・・
その時一人の秘書らしき女性が演壇の上の学園長に耳打ちした。
「もうお時間です! 次のご予定が!」
「以上・・・・」
学園長は突然話を打ち切って会場を後にした。後で知った話であるが学園長は国の要職を兼務していて普段はあまり学園にはいないようだ!久々の学園での活動にウキウキして話してしまったようだった。
入学式は学園長の話が長くなりすぎて、それ以降の者がすべてキャンセルして、終了となった。
「いったい何なのよ! あの学園長は!」
セリアは講堂から出るとすぐイシンに愚痴をこぼした。
「ははは、あの学園長の挨拶の長さはある意味この学校の名物さ!」
大きな声で文句を言っているセリアに生徒会長が話しかけてきた!
「い、いえ私は別に・・・・」
突然話しかけられたセリアは顔を真っ赤にして恥ずかしがっている。
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