入学式の朝
入学式の朝、イシンは再び温泉に入って身を清めて入学式に備えた。食堂によって軽い朝食をとった後、部屋に戻るとセリアはまだ寝ていた!
「セリア! そろそろ起きないと遅刻しちゃうよ!」
イシンは心配になってセリアを大きくゆすって起こそうとした。イシンがセリアを起こそうと試みたのはこれが初めてではない・・・・目覚めてから、すぐにセリアに声を掛けたが、一切起きなかったのだ!
いっこうに、目を覚まさないセリアに困り果てたイシンは寮母のアルフレッドに相談に行った。
「たまにそういう子がいるんだよ!」
アルフレッドは不敵な笑みを浮かべてセリアとイシンの部屋に向かった。
アルフレッドは大きな鍋のふたとお玉を持っていた。
「ガンッ! ガンッ! ガンッ!」
アルフレッドはセリアの耳元で鍋のふたをお玉で思いっきり叩いた!
「キャーッ」
セリアは驚いてベッドの上で飛び上がった。
「な、なにーっ! 火事? 地震?」
「何言ってんだい! 朝だよ! 今日、入学式なんだろ!」
アルフレッドは寝ぼけているセリアの背中をたたいて気合をいれた。
「えーっ、もうこんな時間! どうして起こしてくれなかったのよ!」
セリアはイシンを睨みつけ急いで入学式に行くための準備を始めた。
セリアは昨日カレーを食べたあと、ベッドにはいってから、ずっと寝ていたのだ!
10分後、セリアは何事もなかったかのように入学式用のドレスにを包んでいた。何も知らなければ、何処から見ても恥ずかしくないお嬢様の出来上がりであった。
「何よ!」
口をあけてその様子を眺めていたイシンをセリアは睨んだ!
「い、いや・・・・なんだかすごいなと思って・・・・」
イシンは女の子というものを再評価した。
2人は寮を出て魔法学校に向かった。
「新入学おめでとう!」
沿道には新入生をお祝いする人たちがあふれていた。セリアはそのひとたちに向かって、手を振り笑顔を振りまいた。
「やっぱりすごいね・・・・」
イシンは改めてセリアの顔をまじまじと見てしまった。
学校の入口に着くと、上級生たちが新入生の胸に花をつけていた。その中には昨日2人を寮まで案内してくれた学生の姿も見られた。
「やあ、君たちか! おめでとう!」
学生は二人の胸に真っ赤な花をつけてくれた。
「生徒会長! こちらの新入生にも花をつけてあげてください!」
1人の女学生が昨日の学生に声を掛けた。どうやら彼は生徒会長のようだ!
生徒会長の彼は新入生全員の胸に花をつけていた!
イシンとセリアが門をくぐるとそこは魔法学校だった!
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