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北門警備隊

 ゴブリン国駐部隊が正規部隊として立ち上がったことをきっかけとして拘束されていたイオやハジメが釈放された。ハジメは医療所で未だに意識不明で治療中であった。


「イオ大丈夫か?」

 ニッカとシュバが駆け寄ってきた。


「オレは大丈夫なんだけど、ハジメが心配だよ・・・・」

イオはやはりまだ意識が戻らないハジメの事を心配していた。従魔ではあるがイオはハジメの事を弟のように思っていた。

「くそっ、あいつめハジメの事をこんな目に!」

 ハジメを刺した騎士長は怪物になり、北の空へ飛び去ってからすでに10日経過していた。


「ハジメはいずれ必ず目を覚ます! その時のためにもしっかりしろ!」

 ニッカはイオを熱く励ました。


「イオも帰ってきたことだし、みんなにこれからの事を話さないとな!」

 新部隊が結成され、改めて組織が再編されることになった。

「オレは、大使館所属の警備部隊の北門担当隊長に任命された! それにあたって気心が知れるみんなを隊に推薦させてもらった」

 北門警備隊はニッカを隊長に、シュバが副隊長、隊員にコン、イオ、ユークレオ、アヤそして新隊員としてベテラン冒険者のインクだ!

 インクは50代後半で長年冒険者をしているが、周りがどんどん引退していって仲間がいなくなって途方にくれていたときにニッカと知り合った。


「久しぶりだなイオ!」

 ユークレオが顔を見せてイオに声を掛けてきた。彼はアヤともにゴブリン国のスパイを捜索していたが、未だに見つけられないでいた。


 アヤとコンもやってきてメンバーがそろった北門警備隊は大使館に向かった。彼らの居住区も大使館の中にあるためだ!


「なかなか良いところだな!」

 ボンボンのシュバから見てもゴブリン国内の大使館内に設けられた居住区は立派なものだった。

彼らにあてがわれたものは中央に大きなリビングがありその周りに各個人の3畳ほどの小部屋があった。小部屋は狭くベッドと小さなテーブルしかなかったが冒険者の彼らには大きな問題ではなかった。

 中央のリビングには大きなソファーがあり、キッチンやトイレ等が設置されていた。


「任務開始は明日の正午からだ! 今日はくつろいでくれ!」

 ニッカがそういうと、それぞれ自由に大使館の中を見て回った。


「おおおおっ!」

 ハジメのことで落ち込んでいたイオは大使館に来たことですっかり元気になってロビーを走り回っていた。


「ドカッ」

 前も見ずに走っていたイオは人にぶつかってしまった。イオはその反動で弾かれて転んでしまった。


「おいおい走り回ったら危ないぞ!」

 イオがぶつかったのは臨時大使のデンキンであった。身長は高くないデンキンだったが、イオにぶつかってもびくともせず、倒れてしまったイオの手を取って優しく注意してくれた。


「ご、ごめんなさい・・・・」

 あまりに暖かい対応にやんちゃ小僧のイオも素直に頭を下げて誤った。


「こ、これは大使、申し訳ありません!」

 その光景を見ていたニッカが慌てて駆け寄ってきてイオの頭を押さえて一緒に誤った。


「北門警備隊長のニッカ君だったね! 気にしなくて大丈夫だよ」

 デンキンは1度チラッと任命の挨拶をしただけのニッカの事を完全に覚えていた!


「ひえーっ! あれが大使か!」

 イオは去っていくデンキンの後姿を見て、何かオーラのようなものを感じていた。



 いつもお読みいただきありがとうございます。

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