表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
313/350

デンキン司令官就任

セロが王都に去った後、ラオは数人の騎士を幹部にしたマウント軍の正規部隊の編成を行った。

 部隊の人数は約500人、ほとんどは冒険者で構成されていた。冒険者達は正規軍といっても騎士のように、立場を強制されるわけではなく自由にダンジョンに行くこともでき、いつでも抜けることも復帰することもできた。

 これまでとの大きな違いは毎月の報酬がしっかりと保証されるということであった。この通達にどの冒険者も、もろ手を挙げて喜んだ!


「旨くまとまったようだな! 後はよろしく頼む!」

 ラオは腹心のデンキンをこの部隊の司令官に任命して王都に戻っていった。この新しく新設された部隊の主な任務は、ゴブリン国の対応が主であったが、まだ引き取りが住んでいない人族の受け入れや、周辺の治安強化、駐ゴブリン国大使館準備室等、業務は多岐にわたっていた。


 その部隊の司令官に任命されたデンキンは40代半ばであったが、長年ラオに使え非常に有能であったが、未だ独身で女性には縁のない人生を送っていた。

 人当たりがよく、同僚等からも人気があった彼だが、身長が150cmで体重が100キロを超えていた。さらにかっこいいとはお世辞にも言えない顔立ちだった。

 それを自身でもわかっていた彼だったが、子供が好きで早く結婚したいと思いこれまでお見合いした回数は99回を数えていた。


 デンキンは司令官就任のあいさつでゴブリン城を訪れていた。

「カチン王、この度司令官及び臨時大使に就任したデンキンでございます! 以後よろしくお願いいたします」

 デンキンはカチンにお辞儀をした。


「これは丁寧なあいさつ痛みいる! この度色々問題が起きたがマウント国とは良い付き合いをしようと考えている。よろしく頼むぞ」

 カチンはデンキンの人当たりのよさそうな風貌に何故か親しみがわいてラオやセロとは違い緊張感なく、話をすることができた。


「デンキン殿、ゴブリン城内に大使館として、建物を用意したので是非お使いください!」

 マグマグはすでに賠償の手続等を済ませ、家具等が設置されすぐに使用できる大使館まで用意していた。


「マグマグ殿、ありがとうございます! さっそく本日大使館に私も移動させていただきます」

 ゴブリン国駐屯部隊はゴブリン城外の丘の上にこれまで同様駐屯するが、そのうち100名ほどがデンキンとともに大使館職員として移動することになっていた。大使館員はほとんどが密偵などのスキルをもちゴブリン国を監視する役割も兼ねていた。


「デンキン殿、お近づきのしるしとしてはなんだが、そなたにお見合いの話があるのだ」

 カチンはデンキンの事を調べる過程で99回のお見合いのことを知った。そこでデンキンを取り込む意味でもゴブリンと人族のハーフであるゴブリンヒューマンとのお見合いを勧めてきた。


「わざわざ私のようなもののためにありがとうございます!」

 デンキンは国王のカチンからの提案を断ることもできず、ゴブリンヒューマンとのお見合いを了承した。しかし、デンキンがいくら結婚したいといっても、さすがにゴブリンとの結婚はあり得ないと彼は思っていた。


 こうして、1週間後ゴブリン城内のマウント国大使館において臨時大使デンキンとゴブリンヒューマンの女性とのお見合いが決定した。立会人は国王であるカチンがやるわけにはいかないのでマグマグがカチンの代理として行うことになった。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 評価、ブックマークもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ