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密談

 異形の者となった騎士長と戦ったあと、セロはラオと執務室で2人きりで会談していた。

 ラオは甥が殺されたショックから、何とか立ち直っていた。

「ラオ軍師、一体何が起きているんだ!」

 セロはこのところ内外で起きている異常事態について、ゴブリン以外の何かがかかわっている気がしてならなかった。


「わかりません! ゴトンや私の甥が殺されたことは事実です・・・・しかし私は一旦軍を王都に戻すべきだと考えております」

 ラオはゴブリン国にかかわることにより、マウント国の被害が増えるような気がしてならなかった。


「それでは、ゴトンやそなたの甥の仇は撃たないのか? それにゴブリン国を放置するのか?」

セロはそんな無責任なことは考えられなかった。まして、このままゴブリン国に対して何も要求しないことも握手だと考えていた。


「ここから退くのはマウント国軍のみです! 冒険者を中心としたゴブリン国対応部隊は残します」

 ラオはマウント国軍を王都の防衛に専念させ、冒険者にこの危険地帯を委任するといった。


「それはあまりにも・・・・いくら何でも冒険者たちも納得しないだろう!」

 セロはラオの提案を受け入れた場合、確かにマウント軍の被害は少なくなり良い策だとも考えたが、あまりにマウント国に都合がいい話で冒険者たちは納得しないだろうと考えた。


「納得しないのなら、そうなるようにしてやればよいのです!」

 ラオはセロに提案した! まず冒険者で構成される軍をこれまでの様に協力者という扱いではなく、正式にマウント国軍の別働部隊とすること! 今後の活躍次第では当然本部への移動も可能にすること。そしてそれに見合う報酬を支払うことを!


「それなら金がかかるだけで、大きな問題はないな・・・・」

 軍を駐屯させれば、どのみち金はかかるのである! ラオの提案に乗れば、マウント国は主要部隊の損害がなく、冒険者たちもしっかりとした身分を保証されて双方がウインウインの関係になる!

「いいだろう、すぐその方向で進めよ! ゴブリン国に対してはどうする? ゴトン達を殺された賠償はさせなければならんだろう!」


「それについては、先ほどマグマグから賠償金の支払いについて連絡が入っております。 額は十二分の金額になります! あわせて今後同じようなことが起きないという誓約書と謝罪文をカチン王の名で送ってきております」

 ラオの話を聞いたセロは、そこまで進んでいるのなら何も言うことはなかった。


「ゴトンの家族には十分な見舞金を支払ってやってくれ」

 セロにとっては、やはりゴトンのことについては、どうしても納得できなかったが、もはや何を言ってもゴトンは帰ってこないと思い、それ以上の事を飲み込んだ!


「わかっております! 今回の件で命を落としたもの達の家族には十分な金額を送る予定です」

 ラオも自身の甥のこともあり、セロに言われるまでもなく行う予定であった。

 翌日、セロは雑事をラオに託し、軍を率いて王都に戻っていった。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

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