コンの協力2
協力することにしたコンはセロやラオの周りにいる騎士の動向を探った。コンのスキルをもってしてもセロやラオ本人の目を欺くことは難しかった。
「わかったぞ!」
調査を始めて数時間後、ニッカとシュバのもとにコンが戻ってきた。
「どうやら、ゴブリン国に情報を流しているものがいるようだ! イオとハジメは、その犯人だと思われているみたいだ!」
それを聞いたニッカとシュバは思ってもないことを聞かされて驚いた。2人はイオの事だから、何かを盗んだか壊したくらいの罪を疑われていると思っていた。
「そんな・・・・このままいけば最悪死罪だぞ!」
ニッカは顔面蒼白になった。
「何言ってるんですか! あいつらがそんなことするはずないでしょう・・・・」
シュバは必死にニッカに話をした。
「まだ話は終わってない」
コンは話の続きを始めた。
「最悪なことはイオが自分が犯人らしきことをラオ軍師に語ったらしい・・・・」
「なんだと!」
シュバはコンに詰め寄った。
「いや、オレが言ってるんじゃなくて、そういう情報があるということだ!」
コンは、2人に落ち着いて話を聞いてほしかった。
「ただ、イオのことはともかく・・・・誰かが情報をゴブリン共に漏らしているのは確かのようだ!」
コンは2人の目を真剣にみて語り掛けた。
「そうか・・・・そういうことならイオとハジメの他に犯人がいるってことだな!」
ニッカはこぶしを握りしめ怒りを表した。
「オレは引き続き、軍の動向を探る! 2人は裏切り者を探してくれ!」
そういうとコンは煙のように消えてしまった。
「裏切り者か・・・・どうやってみつければいいんだ・・・・」
2人は考え込んでしまった。
「とにかくこうなったら1人でも人数が多い方がいいと思う! アヤとユークレオにも協力してもらおう」
シュバが提案した。
「そうだな、ゴトン隊長がなくなって小隊は解散するかもしれないが、みんな一度はゴトン小隊の仲間だったんだからな!」
ニッカは2人を食堂に呼び出して、今回の事を説明した。
「というわけなんだが、一緒に犯人探してもらえないか?」
ニッカは頭を下げて頼み込んだ!
「私はいいわよ!」
アヤは即答で了解してくれた。
「そうだな・・・・協力してやりたい気持ちはあるんじゃが、わしはほれ、魔導士としての任務もあることだしな・・・・」
ユークレオはなんだか歯切れの悪い回答であった。
「わかりました! それぞれ忙しいと思うので、出来る範囲でお願いします」
ニッカはここでもめていても時間の無駄だと思い、あっさりと引き下がった。
こうしてもとゴトン小隊のメンバーたちは軍の中の聞き取り調査を独自に始めたのだった。
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