表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
294/350

殿

 ゴトンとホブゴブリンは何度か剣とこん棒を打ち合っている。ゴトンはさすが上級騎士だけあって、ホブゴブリンと互角に打ち合っている。

 この騒ぎでゴブリンが、この建物に集まってきている。

 コンはスキルを使って冒険者たちの縄を一生懸命切っていた。

 シュバと騎士は他のゴブリンたちをコンに近づけないように剣を振るっているが、そろそろ限界のようだ!


「隊長、もうだめです! 退避しましょう!」

 シュバが叫んだ!

 

「オレがここは何とかする! その間に皆逃げてくれ!」

 ゴトンはホブゴブリンと戦いながらシュバにさけんだ!


「ダメです! 隊長も一緒に!」

 シュバはゴトンの戦いに参加しようとした。


「シュバ! 足手まといになるな!」

 普段無口なコンがシュバに強い口調で話しかけた。それにより、シュバは泣く泣くゴトンを置いて建物を出た。

 

 シュバと騎士、コンは囚われていた冒険者をかばいながら建物を出て、村の門を目指した。

「くそっ! 次から次に・・・・」

 シュバ達はゴブリンを何とかかわしているが、村中からあふれ出るゴブリンに囲まれてしまった。


 その時門の外から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

「シュバ! 助けに来たぞ!」

 ニッカ達が丘からやっと村までたどり着いたようだ。

 それを見たシュバ達は、ゴブリンたちの隙を見て1点突破した。


「走れ! とにかく走るんだ!」

 シュバ隊は叫んでいた。体力が弱っている冒険者たちを先にいかせてニッカやシュバが中心になりゴブリンの攻撃を何とかかわしていた。


 シュバ達の逃走は3時間以上に及んだ。


 気が付くとゴブリンたちは周りにいなかった。村からかなり離れてしまったためゴブリン達は追撃を諦めたようだ!


「はぁはぁはぁ・・・・」

 やっとまいたようだな・・・・

 シュバは息を切らしながら、ニッカに語り掛けた。


「ああ、ここまでくれば大丈夫だと思うが、念のため隊列を整えて、もう少し移動しよう!」

 ニッカはゴトン隊長に語り掛けた。


「・・・・」

 しかしゴトンからの返事はない!


「んっ? ゴトン隊長はどこだ!」

 ニッカはシュバに尋ねた!


「隊長はおれたちを逃がすため、殿を・・・・」

 シュバはうつむいて答えた。


「殿だと! それでは隊長は、まだあの村に!」

 ニッカは村の方角を見つめて固まってしまった。


 ニッカ達は冒険者たちを集めて、さらに村から1時間ほど離れたところで野営した。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ