ミト王出陣
「ミト王出陣されました!」
カチンのところに、兵が報告にやってきた。
「やっと出てきたか」
カチンの横に控えていたマグマグが側近に何やら指示を出した。
「将軍それでは、手筈通りお願いします」
マグマグはそういうと一人で馬に乗ってカチン軍を離れていった。
「やっと、オレが王になる時が来たな!」
カチンは馬にまたがり前線に出ていった。
一方、マウント軍本部でもミト王のことが報告された。
「セロ将軍、よろしくお願いいたします」
セロは1軍を率いて前線に向かった。
ラオ軍師はセロ将軍を見送ると何やら忙しく準備を始めた。
「パカパカパカ」
ミト王がマウント国軍の居並ぶ軍の眼前までやってきた。
前線にはセロ将軍率いるマウント国精鋭部隊が布陣していた。
マウント国軍をはさむようにカチン将軍率いる数千の軍も布陣していた。
「かかれ!」
ミトは、そのまま全軍でマウント国軍に突っ込んだ。ミト王としては適当に戦って一旦城に退却しようと考えていた。そのため、速攻そして撤退というリズムの良い戦いを想定している。
「まだか! 魔導士隊?」
セロはアトミックイクスプロ―ジョン発動を待っている!
ミトは時間をかければ、前回の上級魔法が来るのが分かっていた。
「全軍かかれ!」
ミトはゴブリン軍と騎士団が入り乱れるように全軍を前進させた。
「くそゴブリンめ!」
セロはいまだ魔法を放てば、味方も含めて攻撃してしまうため、魔法の指示を出せずにいた。
ミトはその剣技で、騎士たちを次々となぎ倒していく。
「オレが相手だ!」
上級騎士のゴトンがミトに立ちふさがった!
「お前がゴブリンの王だな!」
ゴトンは槍を構え、ミトに飛びかかった。同時に左右から2人の騎士も攻撃した。
「はあああっ!」
ミトは大剣を横なぎで大振りした!
「うああああっ」
左右の騎士たちはミトの攻撃で腹部を大きく切られ血しぶきをあげた。
「やっぱり、すげえな!」
ゴトンは大盾でミトの攻撃を防いだが、体中がしびれて動けなかった。
「ひけ―っ!」
ミトはゴトンのこと等、全く気にもせず、全軍に撤退の命令を出した。
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