ユークレオとアヤ
ニッカ達はゴブリン城へ共に向かう魔導士2名と食堂にいた。1名は上級魔導士の50代の男だ。少し気位の高い鼻持ちならない感じだ。もう1人は20代前半の魔導士見習いだが、火魔法にはめっぽう強いらしい。
「ワシの名前はユークレオじゃ。出発は今日の夜中だ! しっかりと案内をせよ」
ユークレオはかなり上から目線だ!
「私の名前はアヤです。よろしくお願いします」
魔導士の女性は元気いっぱいな感じであった。
「ニッカです。ゴブリン城では勝手な行動は慎んでください。 任務の成功も大切ですが、生きて帰ってくることが最も大切です!」
ニッカはあまり現場を知らなさそうな二人のことが不安だった。
夜になり、ニッカ達は遺跡に集合した。
「ここが、ゴブリン城に通じる通路の入口です! 私が先頭を行くのでお二人は私に続いてください!」
「なんだ、この穴は! こんな狭いところに入れるか!」
ユークレオは入口の穴をみて不満を漏らした。
「いい加減にしてくれませんか! いやも何も行くしかないですよ!」
シュバが、ユークレオに少し強めに話した。
「う、うむ・・・・」
ユークレオはしぶしぶ入るようだ。
ニッカを先頭に、ユークレオ、アヤ、シュバ達と入口の穴に入っていった。
「ギヤアアアアアアアアアアアアアアアアッ」
突然、アヤの巨大な悲鳴が穴の中に響き渡った。四つん這いのニッカ達はどうしようもなく、その場でストップした。
「無理、無理、ムリーーーーーーーーーッ」
アヤは穴の中でじたばたした!
アヤの後ろにいたシュバはコンとハジメに戻るように指示した。まだ3メートルほどしか進んでいなかったため、コンたちはすぐに穴の外に出た。大変だったのはシュバであった。
バタバタしてパニックになっているアヤをなだめながら、なんとか穴の外に出てきた。
「はぁはぁはぁ」
アヤは穴の外で四つん這いになって顔面蒼白だ。
やがてユークレオとニッカも穴の外に出てきた。
「いったいなんだというんだ!」
ユークレオは激怒しながらアヤに尋ねた。こういう時はユークレオは使えるなとニッカは思っていた。
「だ、だって! む、虫がーーーーっ!」
アヤは通路の中にいた虫でパニックになったようだ。
「なんだそんなことで! このユークレオ様でさえ、あの狭くて汚い中に入ってやっておるのだぞ!」
ユークレオはアヤをたしなめたが、アヤはパニックになっている。
「だって、虫ですよ! 無理! 無理! 無理――――!」
アヤは泣き叫んでいる。
「この通路は片道5時間ですよ!」
ニッカが冷たくユークレオに話した。お前が何とかしろという意味が込められていた。
「ううーむ!」
ユークレオは苦虫をつぶしたような顔をした。
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