シンの一撃
「シーーーーン!」
シュバの声が闘技場に響き渡る!
もはや避けることは不可能であった! スーマの炎を纏った拳がシンに突き刺さる!その破壊力は1撃でシンを消滅させるはずだった。
「ピン!」
シンはニッカ達の方を向いたまま後ろから迫るスーマを指で軽くはじいた。
「ドガアアアアアアアアッ!」
スーマは闘技場の壁に服飛ばされて、そのまま壁の奥にめり込んでしまった!
「えええええええええええええええええええっ!」
シンの隣にいたシュバは目を大きく開けて驚愕した。
「!!!!」
当時上の客席の上から一部始終を見ていたマカンは驚きで声もでなかった!
他の四天王も余裕の表情がなくなり、渋い顔だ!
「えっ! えっ!」
直前までシンと会話していたニッカはシンと破壊された壁を何度も見て声にならない声を出している。
いつも冷静なコンだが、目が飛び出しそうなくらい開いて硬直している。
ハジメは驚きで力が抜けて腰をおろしてしまった。
「ガタガタッ!」
スーマは生きていた! 壁の中からボロボロになった体を引きずりながら出てきた。
「キ、貴様-ッ」
「シン、お前いったい!」
シュバはシンの両肩を持ちぶんぶん前後に振りながら、涙を流した表情で質問した!
「だから言ったろ! 修行してたんだって!」
シンは先ほどの攻撃が何でもないように答えた。
「修行って言ったって、すごすぎだろう!」
シュバは興奮を抑えられないようだ。
「えへへへへ!」
シンはシュバに褒められて満更でもないようである。
「ドガッ」
マカンは闘技場客席の最上段からスーマのところまで飛び降りた。
「飲め!」
上級ポーションをスーマに渡した。
スーマは上級ポーションを一気に飲み干して、スーマの傷は全回復した。
「ドカッ」
「ダンッ」
残り2体の四天王も闘技場に降りてきた。
4体はシンの方を向いて闘気をためている。四天王達は先ほどまでの戦いを楽しんでいるような雰囲気は一切なく、その表情は鬼気迫るものであった。
四天王達の様子が変わったのを感じたシンはシュバ達を客席に避難させた。
「シン、相手は4人だ! おれたちも戦うぞ!」
シュバはボロボロの体をおして戦おうとしている。
「大丈夫だから! あっ、ごめん忘れてた!」
シンは思い出したようにシュバ達に手をかざした。
シンの手から光が輝きシュバ達を包んだ!
「えっ! えっ! ええええっ!」
シュバ達の傷はあっという間に全回復した。
シンは軽くシュバに笑みを返してスーマ達に向き直った!
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