シン登場
スーマが一撃で4人を一気に消し去ろうと、魔力を最大限にためた状態の拳を振り降ろした。
シュバ達は、もはや体中がボロボロで動くことはできなかった。
「ピカ――――ッ!!」
闘技場全体を包むまばゆい光がスーマの眼前で輝いた!
スーマは突然の光に危険を感じ攻撃を中止し後方に飛んだ。
「何をした?」
スーマはシュバ達が何かの魔法を発動したと思ったようだ。
光は一気に1か所に収束した。そこに現れたのは、なんとシンだった!
「ようシュバ! 久しぶり!」
シンは懐かしい友達のところに遊びに来たように陽気にあいさつした。
「シ、シン!」
シュバは行方不明だったシンが突然現れて戦いの最中だったことも忘れて抱きしめた。
シュバの顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだった。
シンの事を知らないニッカ、コン、ハジメたちはただただ呆然としていた。
しばらくシンを抱きしめて泣きじゃくっていたシュバであっが、やっと落ち着いてシンに質問した。
「シン! ずっと探してたんだぞ! いったいどこにいたんだ?」
「ああ、悪い! ずっと修行してたんだよ! かなり強くなったんだぜ!」
シンは満面の笑顔でシュバと話している。シンは落ち着いたシュバと離れてニッカ達の方を向いて、改めてあいさつした。
「初めまして、シュバと同じパーティ組んでるシンです。いつもシュバがお世話になって、ありがとうございます」
ニッカ達もかしこまってあいさつした。
「初めましてニッカです。君のことはシュバから聞いていました。無事でよかったです」
「イオさんの従魔してるハジメです。よろしくお願いします」
「コンだ・・・・」
「なんだかよくわからないけど、僕のこと忘れてないかい!」
しばらくシン達のやり取りを聞いていたスーマだったが、業を煮やして話しかけてきた。
シン達は、スーマが話しかけても気にせず、話を続けている。
「ハハハハハハッ!」
無視されているスーマを見てマカンが大笑いしている。
マカンに笑われて、スーマの緑色の顔が赤くなった。
「ふ、ふざけるな!」
スーマは青白い炎を右手に集めた。その炎はスーマの怒りのパワーも追加され、これまで最大の威力まで増大された
「死ねーっ!」
スーマはその強靭な足腰で一度の跳躍でシン達のところまで移動して、その凶悪な拳をシンに振り降ろした。
「シ、シン!」
スーマの攻撃に気が付いたシュバが叫んだ!
シンはまだにこやかにニッカに話していた。
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