スーマ対シュバ
スーマは武器を持たない武闘タイプのゴブリンである。ただ剣を使わずに戦うだけでなく魔法を組み合した魔闘撃を繰り出すことができた。
「オレはマカンのように相手の攻撃を受けるなんて趣味はないから、弱い奴はさっさと握りつぶさせてもらう!」
マカンとのやり取りの後、冷めたようにスーマはすっかり口調が冷たくなっている。
スーマはゆっくりとシュバの方に近づいてきた。右手には青白い炎をまといながら!その炎どんどんと大きくなっている。炎の温度は1万度に達している。
次の一撃を食らえば間違いなくシュバは命を落とすに違いない・・・・
シュバは体中に痛みを抱えながらも、チャンスをうかがっていた。シュバには絶対的な魔法がある「ブラックボール」だ!
スーマが近づいてくれるなら、十分に引き付けて体のど真ん中にぶちかましてやろう!シュバの目はギラギラして近づくスーマを睨んでいる。
シュバは右手を後ろに回して「ブラックボール」を唱えた。スーマがシュバの5メートルほどに近づいたとき、シュバは動いた!
シュバは右手を高々と掲げて、黒い玉をスーマに投げ飛ばした。
ブラックボールはスーマの胸元にまっすぐ向かっていった、スーマはその球体を見て、魔法を込めた拳を解除して後方に飛んだ。さらに横っ飛びして完璧にシュバのブラックボールをかわした。
スーマは本能的に危険だと判断し、まずは回避を優先したのだ。この辺りは誰よりも戦い慣れしているスーマならではであった。
シュバの放ったブラックボールはゆっくりと地面に落ちて10メートルほどの大きな穴をあけて消滅した。
そのまま、スーマに命中していたら間違いなくスーマの体に大きな穴をあけていただろう。
「なるほど、これがあなたの切り札ですか! マカンではありませんが、素晴らしい!」
「しかし知ってしまえば切り札にはなりませんね!」
スーマは一度見たから2度目は簡単に避けられると自信をもっていったわけであるが、そもそもシュバは1日1発しかブラックボールを撃つことができない!
スーマもシュバに向かってゆっくりと近づいていった。2人の距離が近づいたとき、スーマの右わきをコンがタガーで攻撃しようと死角から近づいた。
「邪魔な虫が!」
そういうとスーマはコンの頭をわしづかみでつかみ、そのままシュバに向かって投げつけた。
「うわあああああああああっ!」
シュバは突然コンを投げつけられて、2人は激しく打ち付け合い吹き飛ばされた。
コンも体中の骨が砕けて全身が痛みを襲っている。それでもコンとシュバは痛みで震える体で立ち上がった。
その2人の前に2人以上にボロボロのニッカが2人を守るようにスーマの前に立ちふさがった。ハジメは立っているのもやっとのニッカの肩を支えるために駆け寄った。
スーマの前に奇しくも4人全員が集合したことになった。
スーマはその4人の姿を見て心の中で賛辞を送りつつも再び右手に青白い炎をまとった。その炎の大きさは3メートルに達し、4人全員を一気に消滅させるのに十分であった。
「これで終わりだ!」
スーマは地面を一蹴りし、炎をまとった拳を振りかぶり4人に飛びかかった。
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