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マカン対ニッカ

 マカンは巨大なナギナタを頭上でぐるぐると何度も回して振り回している。ゴブリンジェネラルではあるが、一見するとトロルのようである。

「どこからでも好きにかかってきていいぞ!」


 ニッカはマカンの前に進み出て、剣を抜いた! やや緊張しているようだ。


「ストーンバレット!」

 2人の戦闘が始まる前にいきなりシュバが魔法をマカンに向けて発動した。マカンは意識の外から石礫がいきなり飛んできて、驚いて目を閉じた。


「い、いやーっ」

 ニッカ自身も突然のシュバの魔法で驚きで体が硬直してしまったが、せっかくシュバが作ってくれたチャンスを逃すまいとマカンに斬りかかった。

 ニッカの職業は剣士であり、魔法を使ったり、派手なスキルはなかったが、その剣技だけでここまで生き抜いてきていた。

 ニッカの鋭い剣がマカンの顔面付近にあたる瞬間、マカンはその天性の反射神経で1歩下がり攻撃をかわした。

 ニッカはかわされたことを気にすることなく瞬時に第2撃をマカンに打ち込んだ!


「ザクッ!」

 マカンはニッカの第2撃をかわし切れなかった。顔面への攻撃をかわすために思わず出してしまった左腕にバックリと大きな傷をおってしまった。


「ははははっ! なかなかやるな!」

 マカンはシュバの不意打ちを一切責めることなく、ニッカの思ったより鋭い剣技を褒めた。


「さあ、どんどんおいでよ! 君も遠慮せずに!」

 傷を負いながらもマカンは余裕だった!


 シュバは、マカンに向けて魔法を放った、それに合わせてニッカは切りかかった!

「なんだ、さっきと同じか・・・・詰まらんな」

 マカンは心底がっかりとした表情になって、持っているナギナタでニッカの剣をさばこうとした。


「ザシュッ」

 ニッカの剣がマカンの腹部を切り裂いた!


「君、面白いね!」

 マカンは簡単にさばけると判断したニッカの剣だったが、ニッカの姿が突如消えて気が付いたら自分が切られていた

 

 ニッカは必殺のスキル「瞬歩」を使った。能力としては動くスピードが剣を振るう一瞬だけ倍速になるという地味なものだが、1対1の戦いにおいてニッカにとってこれまで絶対の信頼を置くスキルであった。


「くそっ、今ので致命傷を与えられないんて・・・・なんて固い体だ!」

 ニッカはこの一撃でマカンを倒すつもりでいた。ただ実際はマカンの皮と肉を切っただけである。


「いいよ、いいよ! 思ったより全然楽しめそうだ! どんどんおいで!」

 マカンは目をキラキラさせて手招きした。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

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