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出口を求めて

 4人は真夜中のゴブリン城を出口を求めて歩き出したが、一向に出口の場所がわからなかった。

 シュバは小部屋に他の3人を誘った。

「このまま歩き続けてもらちが明かない! 夜が明けたらそれこそ、どうしようもなくなる」

 シュバは吐き捨てるように言った。


「それは皆思ってることだ! だからどうしようというのだ?」

 ニッカは興奮しているシュバの両肩をもって話しかけた。


「ハジメ、頼めないか?」

 シュバはニッカを振りほどいてハジメの方を向きなおした。

「お前なら、出口の場所を聞き出すことはできないか?」

 確かにハジメならゴブリンとして疑われないだろう。


「もちろんです。僕はそのために来たようなものですから!」

 ハジメはあっさり了承した。


「ハジメ君、いくら君がゴブリンだといっても危険だ! もし気が進まないなら・・・・」

 ニッカはハジメを仲間としてしっかり見ているようだ。


「大丈夫ですよ!」

 ハジメはそういうと、小部屋をあっさりと出て行った。


 シュバ達が、小部屋で議論していたころ、ゴブリン城の別の小部屋では、大騒ぎになっていた。

「キーーーーーーキキキ」

 ニッカが殺したゴブリンがあっさりと発見されたのだった。


 その知らせは、最悪なことにこの日の夜の警備責任者であるスーマに報告された。

「キキキキッ」


「ほおーっ、ネズミが! ハハハハッ、面白いことになったな!」

 スーマはゴブリン軍4天王の1人で、その残虐性の高さでゴブリン国内でも恐れられている存在であった。



「キ、キキキキ」

 ハジメはあっさりと出口の場所を聞きだした。なんと出口は3階以上にしかなかったのだ。ニッカ達がいくら1階をくまなく探しても見つからないはずである。


「キキキ」

 ハジメは出口の場所まで案内してくれるという親切なゴブリンにお願いすることにした。ニッカ達に知らせるにしても、一度自分の目で確認した方がよいからである。


「キキ」

 ハジメはお礼を言って、ゴブリンの後をついていった。



「シュバ君、ハジメ君遅いですね・・・・」

 ハジメが小部屋を出て行ってから、すでに1時間は経過していた。


「確かに・・・・」

 シュバは苛立っていた。自分がハジメに頼んだ手前ハジメの身に何かあれば自分の責任だと考えていた。



「コンコン」

 その時、ノックの音が小部屋に響いた。


 ニッカ達は剣を構えた。


「遅くなりました!」

 ハジメが帰ってきた!


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 引き続き頑張って書いていきますので何卒よろしくお願いします。

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