トラブル
多少のコミュニケーションの問題がありつつも。ニッカ達は順調にゴブリン城の地下を進んだ!
地下にはゴブリンは少なく、主に食料庫や武器庫として使われていた。これは大きな発見であった。
3万強と思われるゴブリン軍をこの兵糧を焼き払ってしまえば、戦わずに追い詰めることができるからである。ニッカは迷った。この時点で撤退するか、さらに偵察を進めるか!
このまま偵察を進めて、もしニッカ達のことがばれてしまえば、無事に逃げられたとしても、兵糧の場所を変えられてしまったり地下の警備を強化されてしまうかもしれないからだ!
「よし、みんな撤退する」
ニッカはひとまず上層部にこの事実を報告するべきだと判断した。
シュバも、そのニッカの判断は正しいと思っていた。4人は慎重に出口がある茂みに向かった。
「あっ!」
シュバはつい声をあげてしまった。
なんと、シュバ達が地下を散策している間にシュバ達が通ってきた茂みの前に大量の武具が積まれていたのである。
武具自体は、すぐにどかせることもできるし、おそらく一時的に置いたようである。しかし今移動すれば自分たちのことがゴブリンたちにばれてしまうため、今移動させることはできない。
「副長、どうする?」
珍しく、コンがニッカに話しかけた。
「しかたない、他の出口を探そう」
ニッカを先頭にシュバ達は地下の出口を探し回った。しかし、地下には出口のようなものは見当たらなかった。
「こうなったら、上を目指すしかない!」
ニッカは覚悟を決めたようにシュバ達に語った。地下には上に通じる階段がいくつかあったが、気配がない階段を探して、ニッカ達は階段を上った。地下の部屋は天井高4mはあった、当然1階と地下を結ぶ階段はそれなりの長さがある。
シュバ達が階段を上っていると、1人のゴブリンが小走りでシュバ達のいる階段にやってきた。4人は慌てて階段の端に移動してコンにしがみついた。
「カンカンカン」
ゴブリンは何事もなかったように、階段を下りて行った。コンの能力でシュバ達のことは目に入らなかったようだ!
シュバ達は胸をなでおろしながらも、慎重に階段を上り切った。階段を上った先は、ひたすら長い廊下が続いていた。廊下の幅はおよそ2mである。数メートルごとに部屋があるようで扉がいくつか見えた。
「行くぞ!」
4人はニッカを先頭にゆっくり足音を立てないように1階の廊下を進んだ。しばらくすると扉が開いたままの部屋があった。ニッカは部屋の中を慎重に確認したが、誰もいないようだ。
一旦休息をとるために、4人は部屋の中に入って一息ついた。移動した距離はそれほど長いわけではなかったが、その緊張感で4人の疲れは尋常ではなかった。
「ニッカさん、このまま出口を探し続けるんですか?」
シュバはうんざりした表情で質問した。
「みんなの疲れはわかるが進むしかない! もう少し頑張ってくれ」
ニッカとしても先が見えない中で、気休めのようなことは言いたくはなかったが、それでも言わなければ、気力がなえてしまいそうな雰囲気であった。
4人は先が見えない中、しばしの休息を小部屋でとった。
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