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上級騎士ゴトン

 ゴトンとニッカ達は、風呂から上がると、そのまま食堂に向かった。シュバを除いた全員がビールの大ジョッキを握っている。シュバは酒が飲めないので、ぶどうジュースである。


「カンパーイ!」

 ゴトンの掛け声で宴会がはじまった。今日の料理は鶏肉のようなものが串に刺された焼き鳥、何かの肉をあげたとんかつ風の物、それにチャーハンのような痛めた米料理であった。


 ゴトンは酒が強いようで、ビールを大ジョッキで5杯飲んだ後、バーボンをロックで何杯もあけていた。

 イオは早々につぶれてしまい、最後まで粘っていたクニも食堂の床で転がっている。


「なんだなんだ、だらしないぞ!」

 ゴトンはクニとイオ、それにデンまで肩に軽く担いで、テントに運んでくれた。シュバとハジメはニッカの両脇を担いでゴトンの後をついていった。

 コンはそんなメンバーを横目で見ながら、隣のテーブルでひとり熱燗を飲んでいる。


「ありがとうございます」

 シュバは深々とゴトンに頭を下げた。


「なぁに、これくらい気にするな! じゃあ、またな!」

 そういうとゴトンはさわやかに去っていった。


「もう飲めないよー」

 イオがシュバの足に絡んできた。シュバは邪魔くさいようで、軽く蹴飛ばしている。


「騎士って、とっつきにくい人が多いイメージでしたが、ゴトンさんはいい人ですね」

 ゴブリンのハジメから見てもゴトンはナイスガイのようだ。


「ああ、ああいう男にオレもなりたいよ!」

 シュバはなぜだかシンのことがふと頭に浮かんだ。

「この状態じゃ、明日の朝の偵察は無理だな」

 シュバはもう一度、風呂場に向かったのであった。


 翌朝ニッカは10時過ぎに目を覚ました。

「あっ、偵察任務が・・・・」

 ニッカは頭が真っ白になった。


「ニッカさん、大丈夫ですか?」

 偵察に行く予定だった、4人のうちニッカだけが、寝坊して二日酔いだった。


「みんな、申し訳ない副隊長のオレが・・・・」

 ニッカは申し訳なさそうに頭を垂れている。


「まあ、これからは余り深酒は控えてください」

 シュバはニッカの肩を軽くたたき励ました。

 その横でコンは、さげすんだ眼でニッカを見ている。

 ニッカはいたたまれない感じでひたすら頭を下げている。その横でクニ、デン、イオはまだいびきをかいて寝ているのであった。


 ニッカは酔いを醒ますため、大浴場に向かった。寝過ごしてしまったが、久しぶりに楽しい酒が飲めてよかったとニッカは心の中で考えて笑顔になっていた。ニッカにとっても、年下ながら、ゴトンとの出会いは最近の激しいゴブリンとの戦いの中で久しぶりに良い出来事であった。


いつもお読みいただきありがとうございます。

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