表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
241/350

知将と軍神

 ゴブリン城の玉座に腰をおろしながらミトは、軍師ハイエのことを思い出していた。セロ将軍のラオ軍師、カチン将軍のマグマグのように、自らにもかつてハイエという軍師がいた。



「王、いつまでもモーリエのような悪魔の言いなりになっているのですか!」

 将軍ラオカンはミトに詰め寄っていた。ゴブリンのための国を建国したというのに、モーリエの傘下に入っている以上、永遠に本当の独立とは言えないからだ。


「・・・・」

 ミトはラオカンの気持ちが分かっているため、何も言い返さないでいた。


 その時、ミトとラオカンしかいないゴブリン城の王の間に突然青黒い闇が現れた。中から現れたのは、悪魔モーリエである。


「なんだか、 僕のうわさしちゃってるみたいだね」

 モーリエはへらへら笑いながら、ミトの方に近づいてくる。


「モーリエ様のお話など、しておりませぬ・・・・」

 ミトは玉座から立ち上がり、膝まずいて迎えた。

 ラオカンは自らの王が、ひざまずく姿を見て苦々しくモーリエを見ている。


「ラオカン、控えよ!」

 ミトはラオカンを制止した。

 ラオカンはミトに叱咤されて、仕方なく頭を下げた。


「君は、どうも僕のことが好きじゃないようだね!」

 モーリエはラオカンの周りをぐるぐる回っている。


「王!」

 その時、王の間に不穏な空気を察知し、軍師ハイエが現れた。


「あらあら、これはこれは! ミトの両腕が勢ぞろいだね!」

 モーリエは不敵な笑みを浮かべた。

 ゴブリン王国の建国に、知将ハイエと軍神ラオカンが大きな役割を果たしと事は内外に知られていた。


「これはよくぞいらっしゃいました、モーリエ様」

 ハイエは膝まずいて、深々と頭を下げた。


「ハイエ、ぼくは君のその能力以上に上のものを敬う真摯な態度が好きだよ」

 モーリエは今度はハイエの周りをぐるぐると回りだした。


「ありがとうございます。 もったいないお言葉でございます」

 ハイエは落ち着いてモーリエと話をしている。


「だけどね」

「ドバッ!」

 突然王の間全体に鮮血が飛び散った!


 ミトとラオカンは、突然のことで何が起きたかわからなかった。


「フフッ」

 モーリエはミトの方を見て、軽く笑みを浮かべた。


「はっ!」

 ミトは目を見開いた! 

 モーリエの手から大量の血がしたたり落ちていた。そして、ハイエのいた場所を中心に放物線上に血痕が広がっていた

「ま、まさか・・・・ハイエを・・・・」

 ミトは声にならない声を出した。


「ああ、ぼくって、なんだか忠実ですって態度されると吹き飛ばしたくなるんだよね」

 モーリエは満面の笑みを浮かべてミトに答えた。

 ハイエは自身に何が起こったか全くわからず、ただ全身を吹き飛ばされたのだった。


 いつもお読みいただきありがとうございます。

 引き続き頑張って書いていきますので何卒よろしくお願いします。

 面白い、続きが読みたい、応援したいと思われた方は、是非ブックマーク、画面下から評価をよろしくお願いします。

 評価は各話の広告下の「☆☆☆☆☆」からポイント評価「★★★★★」を入れて応援していただけると 

最高です。

 今後も本作品を書いていく強力なモチベーションになります。

 評価をくださった方、本当にありがとうございます。

 感想もお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ